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開業&起業読本(カフェとか会社とか)その5 カフェの基本的な数字管理について

■5 カフェの基本的な経営(数字の管理)について

カフェを始めとする飲食店はほぼ全て、資本集約型のビジネスです。お店という初期費用が結構掛かる「資産」をそれなりの資本(お金)をもって取得し、その「場所」を使ってビジネスをする。そういうのを全般的に資本集約型のビジネスと言います。 つまりは・・

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目次(前半 その1)
■1 そもそも、なぜ起業するのか、したいのか?
■2 独立、起業なんかやめた方が良い?
■3 独立開業やベンチャービジネスなんて、ほとんどギャンブル?
■4 それでも開業するなら勉強しないとね。
■5 カフェの基本的な経営(数字の管理)について
■6 事業計画は総合的なバランスで考える
■7 それらを踏まえた基本的な資金調達の方法について

目次(中盤 その2)
■8 美味しい料理を出せばお客は増える?(商品開発の考え方)
■9 飲食店は立地で決まる?(物件を借りる時の注意点:普通の部屋も)
■10客数が先か?客単価が先か?
■11集客の方法を考える。
■12お客の喜ぶ商品、利益の取れる商品
■13売上げ確保の鍵はコミュニティにあった!

目次(後半 その3:仮)
■14資金調達ができる事業計画書とは?
■15これからの時代に飲食店に求められるニーズとは?
■16法律は弱者の味方ではなく、知っている人の味方である
■17何が何でも融資を受けたい時の闇のマニュアル
■18それでも独立開業するの?しちゃうの?
■19借金との付き合い方
■20まとめ

今日はカフェの基本的な経営(数字管理)について書こうと思います。

■5 カフェの基本的な経営(数字の管理)について

カフェを始めとする飲食店はほぼ全て、資本集約型のビジネスです。お店という初期費用が結構掛かる「資産」をそれなりの資本(お金)をもって取得し、その「場所」を使ってビジネスをする。そういうのを全般的に資本集約型のビジネスと言います。

つまりは、
大きな初期コストを、長期にわたる売上げから少しずつ「回収」して行く必要があるため、持続的な経営をしていく必要がある。という事です。イベント事のような単発ではないよ。って事。

では、一般的な飲食店の売上げと経費について。

売上げを100とすると、
・原価(原材料費) 30
・人件費(お店で働いている人全員) 30
・家賃などの諸経費 20
・減価償却費(上にあげた初期コストの回収)10
・営業利益 10
という感じです。

もちろん、業種業態によって上下しますが、だいたいこんな感じです。カフェの場合は、何を主力にするかにもよりますが、
・原価 25
・人件費 25
ぐらいまで落としつつ、
・家賃などの諸経費を 30にして好立地にて勝負した方が良い成績が出しやすい感じがします。

このあたりからが、このnoteで伝えたいところなのですが、仮に、食材にこだわり、サービスにこだわって、原価35、人件費35という割り振りで行くとすれば、家賃などの諸経費を10まで落とす必要があり、光熱費や消耗品を除いた「家賃に充てられる部分」は、6~7程度になってきます。

上記の数字に(万円)という単位を当てはめて考えた場合、
人件費=給与=35万円ですから、1名+αくらいはなんとかなるかもしれませんが、果たして家賃7万円の物件(立地)において、どれくらいの人々が「カフェ」を必要としているでしょうか?

お店がお客さんに利用されるには、
・A 利用したいと思った時に近くにある。
OR
・B そのお店を利用するために、お客さんがわざわざ出向く
のどちらかである必要がありますが、
いわゆる好立地というのは「A」にあたり、食材やサービスにこだわるというのは「B」の状態にあたります。

もちろん、飲食店たるもの日々精進して美味しいメニューを提供していくための弛まない努力は必要なのですが、その結果としての「他店との違い」いわゆる「差別化」されている部分はお客様に伝えるのが難しい時代であると共に、よほどの違い「特別な何か」がないと、わざわざお客さんが足を運ぶのは難しいのが現状であり、「特別」という事と「高単価」は決して同義語ではないのですが一般的な顧客心理として、500円のコーヒーのために情報を深堀りしていく人は少ないが、10,000円を越えるような食事をするとなった場合は、現代ではスマホを駆使して出来るだけ満足度を高めようと労力を注ぐ方が多いと思います。

つまり、お客さんが時間をかけて「選ぶ」という作業をする「高単価」のお店や商品は、少々立地が悪くとも商品力やマーケティングの努力でその「違い」が伝わる可能性が高いですが、そもそも低単価のお店の場合はそこまで情報を求める場面も少なく、ちょっと座ってコーヒー1杯という早急的なニーズを満たしてくれるお店は、近くないとわざわざ行こうとしないのが本音かと思います。

たとえば。とてつもなく美味しいコーヒーを淹れられるとしても、まず潜在的な「とてつもなく美味しいコーヒーを求めている人」の数がそれなりに居て、その人達が「美味しいコーヒーを飲みたい」と思った時に、自分のお店の情報にアプローチできる手段というのが必要となってきます。そして、自分のニーズとお店との距離=手間(コスト)とのバランスを検討し、まだ飲んだ事のない「とてつもなく美味しいコーヒー」を飲みに行くかどうかを意思決定する。という作業がお客さんの側で必要になってきます。

それを乗り越えて来るお客さんがそれなりの人数居て、初めてお店として経営が成り立つ。というのは、なかなかハードルが高いビジネスだと考えますので、序盤に書いたとおり、そのコストを立地の方に割り振った方が良いと思っています。

ちょっと数字管理の観点からは逸れましたが、カフェを開業し経営していくという事業を計画していく段階で、ステータスの割り振りではないですが、どの経費にウェイトを置くか?(お客さんにとってのメリットとして)比重を強めるか?というのを十分に検討する必要があります。

もちろん、どんなに立地が良くても不味ければ2回目はないでしょう。しかし、美味しくなくともやって行ける立地は存在しますし(基本的にリピートがない観光地のお店)、とても不便な場所で繁盛している飲食店もあります。

自分のお店が提供するメリット、技術、資本力などのバランス、お客さんのニーズ、などなどを総合的に検討し、事業計画を立案していく必要があります。

とは言っても、バランスだけ重視では特徴のないお店となってしまいますし、実質的に、本当の好立地というのはとても家賃や初期費用が高額でチェーン店並の資本力がないと契約すらできませんし、そもそも物件の空き情報が回ってくることもほぼないので、差別化を図りつつ、バランスを取りつつ。というのが重要になってきますね。

さらには、経費の比率を考えつつ、損益分岐点の計算もしないといけません。損益分岐点(売上)というのは、その売上げを下回ると赤字という状態になる売上げの金額の事です。経費には大きく分けて二通りあり、
・売上げに関わらず必要となる経費(家賃や給与) 固定費
・売上げに連動して増えていく経費(主に材料費) 変動費

売上げから変動費を引いた残りで、固定費を賄えないと「赤字」という事になりますので、どのようなバランスで経費を割り振っていたとしても、赤字であれば必ずどこかにしわ寄せが来ます。どこかにと言っても、材料費を払わないと食材を卸してもらえませんし、家賃を滞納すればすぐではないにしても将来的に追い出されて営業できなくなりますし、実質的にはオーナーの給与を減らす以外に道はないので、この損益分岐点というのは非常に重要であり、これを出来るだけ低く設定できるような事業計画が求められます。

損益分岐点の計算方法やグラフについては、noteにたどり着ける方々なら検索ですぐに見つかるでしょうし、ここでは割愛させていただきます。

カフェの基本的な数字の管理については、大きく分けて二つあります。
・損益分岐点を越える売上げ
・経費の配分(原価、人件費、家賃、その他諸経費)
この2点が、カフェを経営していくうえで、また、事業計画を立案する上で基本および最重要事項となります。というのも、
その、経費の配分(食材に振るのか?立地に振るのか?)、バランスによっておおよそのスタイルは計画の段階ですでに出来ているからです。

飲食店というビジネスは、上手く行っている場合でも、売上げに対しての利益率は10%~20%程度です。
30%を越えるようなお店は、ほんのわずかしかないでしょう。
その理由は■5で書いたとおり、材料費と人件費とその他諸経費が結構な割合で掛かってくるからです。もちろん、原価率(原材料費率)が20%以下でもお客さんの満足度の高いお店はあります。(コーヒーをそれなりの単価で販売している)などは、原価率が10%程度に抑えられている場合もあるでしょう。
コーヒー20円
カップと蓋20円
合計、40円の原材料費のものを400円(税別)で販売できれば、原価率は10%という事になります。
だったらもっと利益残せる(営業利益率が50%を越える)んじゃないの?という考え方もできますが、コーヒーだけをガンガン売っていけるような立地の場合、お店の家賃というのがかなり重くのしかかってきます。ひとつ例をあげてみましょう。(おおよその推測)

弊社のカフェであるEMPORIOは、東急東横線の学芸大学という駅から5分ほど歩いたところにあり、駅からEMPORIOカフェに到着するまでにはいくつかのカフェチェーンを横目に通り過ぎる必要があります。
ちょうど真ん中あたりに、世界的なコーヒーチェーン店があります。そこの売上げや経費を推測してみます。(月次)

・売上げ 1000万円 (35万円/日 結構売れている方)
・原材料費 100万円(10%) 変動費
・人件費 300万円(30%) 変動費(一部固定)
・家賃 250万円(25%) 固定費
・その他諸経費 50万円(5%) 電気代とかもろもろ
で計算すると、利益は、300万円(30%)ですが、
ここからチェーン店の場合は、本社経費が必要になってきますし、FC店の場合には、3~5%程度のロイヤルティを本部に支払う必要があります。それでもこれだけ売れて、これだけ儲かればウハウハですね!
が、しかし、売上げがこの半分しか行かない場合はどうでしょう?(標準的なお店はそんなもんです。)

・売上げ 500万円 (17万円/日 標準的なチェーン店)
・原材料費 50万円(10%) 変動費
・人件費 150万円(30%) 変動費(一部固定)
・家賃 250万円(50%) 固定費
・その他諸経費 25万円(5%) 電気代とかもろもろ
で計算すると、利益は、25万円(5%)になってしまい、本社経費とかロイヤルティを支払ってしまうとほぼ利益がない状態になります。この場合の利益が出ていない主な原因は、
・家賃が重い
・売上げ不足
の2つであるのは明らかですが、同じ売上げ500万円を家賃100万円くらいの立地で達成できるのであれば、とても優秀な繁盛店と言えるでしょう。仮に、家賃が100万円の立地で売上げ500万円だったとしたら、営業利益は175万円です。売上げ1000万円の時の300万円の利益に比べれば半分くらいしかありませんが、それでも毎月175万円残るのであれば、とても成績の良いお店である事に変わりありません。

このように、売上げと経費はどちらか一方が重要という分けではなく、商品や業態、立地や店舗の広さ、内装、サービスなど様々なバランスの上において成り立っています。

それを念頭に置いて、事業計画の作成に進んで行きたいと思います。

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