昨夜、どーでも良い事をブログに書いてしまった反動で、今日はちょっと難しめの内容を。
『満足した豚であるより、不満足な人間であるほうがよく、満足した愚者であるより不満足なソクラテスであるほうがよい。』
ジョン・スチュアート・ミルの言葉です。
解説は最後にでも。
さて、あなたなら何を求めますか?
世の中を知れば知る程、不満になります。新しい知識を手に入れる事は、さらにそこから広がるたくさんの『知らない事』を認識する事につながります。
たとえば、自分の知っている世界の外に違う世界がある。という事を知ってしまった場合、その外世界について何も知らない。と言う事を知ってしまう事になるからです。
知らなければ満足だったはずが、知ってしまったがために不満足になる。
それが解っていても尚、あなたは新しい知識を求めますか?新しい世界を知りたいと思いますか?
映画『マトリックス』で言えば、知ってしまったが為にたいへんな苦労を背負う事になりますよね。それが良いか悪いかは別として。知らないままの幸せを選ぶのもありだと思います。
あなたには選択の権利があります。たぶん。
苦労してでも真理に近づきたいのかどうか?の差なのかもしれません。
世の中には、まだまだ知らない事がたくさんあるみたいです。
もっとたくさん知りたいのなら、それに伴う苦労を引き受ける覚悟が必要なのかもしれませんね。
******* 解説 ********
同じく考える生き物としては動物より人間がいいのはあたりまえであろう。人間としてはこの世がすべてだと考えて満足する者よりあの世も含めた世界で考えるソクラテスのようにありたいものだ。ということですね「感受能力の低いものは、それを十分満足させる機会にもっとも恵まれているが、豊かな天分をもつ者は、いつも、自分の求めうる幸福が、この世では不完全なものでしかないと感じるであろうことはいうまでもない。しかしこうゆう人も、不完全さが忍べるものであるかぎり、忍ぶことを習得できる。そして不完全だからといって、不完全さをまるで意識しない人間を羨んだりしないだろう。」
『功利主義論』(世界の名著38) J.S.ミル 伊原吉之助訳 中央公論社
ジョン・スチュアート・ミル