資本力や人材が充実している大企業
VS
とりあえず、やる気とアイデアくらいしかないベンチャー企業
通常では、どう考えたってベンチャーが大企業にどう勝てる訳ありません。実際、勝てる場合は極めて少ないのが実情です。
では、ベンチャーである優位性はどこにあるのか?というのを考えた場合に、なによりも重要になってくるのが、「スピード!」です。
唯一、スピードだけが、ベンチャーが大企業に太刀打ちできる可能性のあるところです。
その原因は、主に2つ。
1 大企業は大きな組織であるが故に、たくさんのルールが存在する。ルールが多いが故に、それらをクリアしていくことに実質的に時間を消費する。
2 ベンチャー企業は一人が長時間働く事により、顧客対応力が必然的に高くなる。(たとえば、24時間担当が電話に出る。など)
まず、1についてですが、大きな組織であるということは、たくさんの人が在籍・介在しているという事であり、たくさんの人がいるなら、それに伴いルールが増えます。しかもそのルールは、一番信頼関係の低いレベルに合わせて設定されるので、信頼関係の高い人同士が仕事をする場合においては、ルールがあることが実質的に無駄になります。それに対し、ベンチャーは人数も少なく風通しも良いのが通常なので、情報の共有や意思決定のスピードが大企業に比べると必然的に早くなる傾向にあります。
次に、2についてですが、法律の問題もあるので、全員が管理職以上(たとえば全員役員)の場合には、労働基準法が適用されません。つまり、1日の労働時間が16時間、休みが1年に10回でも別に構わないわけです。こんな働き方をしていると、お客様が担当の携帯に電話すれば、ほぼ間違いなくつながるという状況になります。また、土日も稼働しているので、同じ7営業日後納品であっても、大企業より実質2日早い納品が可能となります。
と、ベンチャーの優位性と思われる部分を2つ抜粋しましたが、実際、これ以外には思いつきません。それどころか、冒頭にも記述しました通り、基本的な部分は何一つ優位性などありません。
それどころか、負けている事ばかりで、なによりも重要な資本力において、圧倒的な差がある場合が多く、いくつものベンチャー企業が設立されては消えていく運命に逆らえないのが実情です。
しかし、ベンチャー企業が提供する商品やサービスは、既存のものよりも顧客にとってコストパフォーマンスが高い場合が多い(でなければ、設立される意味がない)ので、たくさんのベンチャー企業が設立され、成長できる環境は、国の将来にとっても非常に有益だと思われます。
米国では、時価総額TOP100企業の内、半数くらいがここ10~20年くらいに設立されたベンチャー企業であるという話を聞いたことがあります。グーグルやMSなどはその代表ですね。日本もそのように、企業が活性化する環境を、今後も整備していく必要性を感じます。
MBAセミナーを開催しているから。という訳ではないですが、私も起業の相談などに応じることが良くあります。(頑張っている人は、応援したくなるたちなので・・・)基本的には大変な事が多いので、起業しないことをお勧めしたいのですが、それでも「やる」という方には、できる限りのご協力をさせていただいているつもりです。
ベンチャーには優位性なんてほとんどない。ということを理解した上で、起業される方がいらっしゃれば、ぜひ、お話を伺わせて下さい。全力で、起業しない方が良い理由を教えてあげますので。。。
それを踏まえた上で、起業されたいと言うのであれば、どうやって生き残り勝ち残っていくかについて、一緒に考えさせていただければと思っています。
Welcome to the JUNGLE
では、また。
not for sales Incorporated株式会社
西脇 建治