世界的に株安です。
そして、円高。
まさに、世界規模の囚人のジレンマです。
誰だって、損したくないですよね。
資本主義の論理によると、個人の利益を追求することが、すなわち、他人や社会の利益にもなる。神の見えざる手が働き、市場はフェアな価格を提示する。
というのは、別に間違っているわけではないと思います。
もちろん、不完全な部分はあるでしょうが、それでも今日まで良く機能してきたのではないでしょうか?
世界の金融市場は、いま、逆に向かってまっしぐらです。
日経平均は、ちょっと前につけた安値からは、まだ少し余裕がある感じですが(パニックだったので)、他の主要先進国の株価は、新安値更新の嵐。
そして、行く所のなくなったお金で円を買う。と、日本の輸出企業は儲からないから株価が下がる。
simonの言葉を借りれば「くそったれスパイラル」。まさに、ぴったり。
誰もが自分の損失を最小限にしようと行動すると、結果的に社会的な利益を失い、それがまた、個人に戻ってくる。まさに、囚人のジレンマと同じ状態です。
囚人のジレンマの連鎖を断ち切る方法は?
だれかがリスクを背負い、協調の行動を促す。または、みんなで話し合いをして、協調する約束をする。
この囚人のジレンマの特殊な点は、株価の細かいところをさておいて考えると、多数決(民主主義)のゲームに近い要素が存在するところです。
協調して株価を支えよう!という人が多ければ、事実、株価は上昇しますし、そこに裏切りのメリットは存在しなくなる。
通常の囚人のジレンマ状態であれば、誰かが協調した場合、個人としては裏切り戦略が有利です。しかも、このゲームの場合は、裏切ってもばれませんし、だれにも文句を言われません。
それでも、株式や経済といった市場をフィールドにした今回のケースは特殊です。
裏切って、株を売る人は、必ずしも裏切りの利益を享受できません。
それは、協調して買う人の方が多数であった場合、株価が上昇して、その裏切りのメリットを打ち消してしまうからです。
世界経済が困窮し、今の社会が維持できなくなるような痛手を世界的に背負うと、本当に、お金に何の価値もなくなる可能性だって存在します。
人間は、この危機を、協調することにより、脱出することができます。
我々の子孫に、よりよい社会を継承したいと思う人は、協調行動をお願いします。
買い支えよう、自国の株価!