マーケティングが研究されだして、すでにかなりの年月が過ぎようとしています。体系的にまとめられた参考になる書物としては、フィリップ・コトラー(Philip Kotler)のマーケティング入門あたりがお薦めかと思います。
現代のマーケティングにおいて、重要視されているのが「顧客満足」(言い方がちょっとふるいですが、幅広い概念なので)だと言われています。
マーケティングの基本といわれる4P(Price Place Product Promotion)は、すでにご存知かとは思いますが、その基本的な4つを駆使しつつ、何か秀でる1つないし2つのPを際立たせ、結果として、それらを包括するサービスを充実させ、顧客の経験(Experience)を介して、満足を得ていただく。
もう、それら全てを考慮した上で、どのように差別化をはかるか?というのが、企業の命題となっています。
上記のマーケティングとしての概念を、考慮する、しないに関わらず、利益を得られるビジネスというのはそういうものをクリアしている。だから、売れる。というふうに考えていただければと思います。
それくらいのこと、すでに当たり前と言っても過言ではないのですが、
一番難しいポイントは、顧客がそれを普段から意識しているわけではないというところで、たとえ、顧客にインタビューしたとしても、「なんとなく」「好きだから」「便利だから」「格好よいから」「知人に薦められたから」と言うような答えが返ってくる場合がほとんどです。それは、決して隠しているわけではなく、よほど意識して購買している製品やサービス以外は、そういう感覚で財布を開いている。それが現状だ。ということです。
モノが足りない時代。モノの性能が直接差別化につながった時代は、今や昔。
価格相応の性能があり、もちろん、標準とされる耐久性があり、買いやすい場所で販売しており、価格的にもお手ごろな場合、あなたなら、何で差別化をはかりますか?
もちろん、それぞれの製品やサービスによって異なるとは思いますが、
企業や製品の「ブランド」(信用)と、「デザイン」(格好良さ)が重要になってくると思います。
というのも、4Pの内、購入後も影響し続けるのはちょっと強引な言い方ですが、製品(Product)そのもののみ。(サービスの場合は、ナシ)ということになり、顧客との関係を強化するためのツールとしては、少し弱いという考え方もできます。
しかし、製品のデザインが格好良ければ、継続的に自社ブランドをアピールすることができますし、いわゆる「満足感」を得られる「経験」を、顧客に提供し続けることが可能となり、次回、なにかしら購入する際、そのブランドを「良い経験が得られるブランド」として、自動的に他と区別して考えるようになります。
マーケティングの手法が、顧客の心理や経験といったカオス(混沌)の領域に入りつつある現代。