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  • 開業&起業読本(カフェとか会社とか)その6 事業計画について

    ■6 事業計画は総合的なバランスで考える

    新しいビジネスをスタートさせるなら、事業計画書は必須です。自分ひとりではじめて、金融機関などから借り入れしたり投資家募ったりしない場合でも、やっぱり事業計画は立てるべきです。

    大きく分けて、事業計画書には2通りあります。
    A・ビジネスの概要と成長のロードマップがイメージしやすい、
    より本質的なもの
    B・売上げや経費が見えて、必要な資金が明らかに見えたり、利益の
    大きさがわかるもの

    とうぜん、この2つが相互にリンクしている必要がありますが、ビジネスにおいて重要なのはAの本質的なものの方です。こういっては何ですが、Bなんて、誰に見せるか?で、適当に数字いじれば良いんですから。重要なのは2~3ヶ月の内に破綻しない(キャッシュがある)状態を最低限保てるようにすること。

    だって、既存のビジネスでさえ、売上げ予測は当たる方が少ないですし、突発的な経費が出て行く事も多々あります。なのですから、これから始めようとする新しいビジネスの売上げなんて、正確に予測できる人はこの世に存在しませんし、出来るわけないのです。とは言っても、できないから書かないのではなく、本質的なロードマップのイメージから、なんとなーく、それとな~く数字(売上げや経費)をイメージしていく必要はあります。

    その上で、
    ・経営者が実質的なキャッシュフローを検討するためのシビアなもの
    ・借り入れの際、金融機関が納得する(担当が上司に説明しやすい)もの
    ・投資家が夢を見られるようなもの
    など、使い方に応じて数字をいじっていくのが起業家の腕の見せ所です。

    そのあたりの細かい調整方法やロジック(屁理屈)の建て方については、後日お伝えするとして、今日はそれらのベースとなる、なんとなーく数字を立ててバランスの取れた計画書を作成する手法をご紹介します。

    一応、このnoteは「カフェ経営」をテーマとしているので、カフェ(飲食店)の開業書籍などに書かれている一般的な方法をお伝えします。

    客席数(座席)×回転数(日)×客単価=日商 とか。
    例)
    10卓(20席)×3回転=60人(客数/日)×客単価¥1,000=¥60,000/日

    はい、1日に売上げ6万円のお店のできあがりです。
    1ヶ月に25日営業するなら、6万円×25日=売上げ150万円/月のお店
    という事になります。簡単ですね。

    さて、
    座席数はあなたが出店するお店に置いてある椅子の数なので、あなたが決められますし、工事が完了していたらもう明確です。(事実)

    次に、ひとつ飛ばして、
    客単価も、あなたが決めたメニュー(メニュー構成、単価)と、カフェという業態で一般的なお客さんが注文するメニュー数などから、おおよそ計算する事ができるでしょう。たとえば、
    ランチ¥1,000 コーヒーなどドリンク¥500 ディナー¥1,500
    の注文がバランスよくあるとすれば、客単価は¥1,000となります。実は、そう簡単なものではないのですが今はまぁ、良しとしましょう。

    次に、回転数です。これが問題であると同時に腕の見せ所となる部分なのですが、はっきり言って適当でOKです。回転数を考える必要はありません。回転数という観点からお店の流れを考えないといけない場面は、売上げがMAX(お店のキャパシティの限界)に達したときに、回転数を上げるための工夫をする必要があるだけで、計画の段階でそんな事考える必要はありません。(開店当初から行列が途切れないお店になる自信がある場合は考えてください)

    なぜ、計画の段階では回転数は適当で良いのか?

    簡単に言うと、回転数は結果であって「計画」していく類のものではなく(行列店以外)、そんな事に時間を使うよりもっと重要な事を検討して計画書を作成すべきであるため、適当で良いというのが本音です。

    ちょっと補足になりますが、お客さんの平均滞在時間が1時間で、営業時間が10時間であれば、MAXの回転数は10回転です。実際、これだけお客さんが来店されていて、なんとかもう少し売上げを伸ばしたい場合には、滞在時間を54分(10%減らす)工夫をすれば、11回転になりますし、売上げも10%UPするでしょうし、良い事ずくめです。(かなりの繁盛店)

    これは非常に論理的な考え方であり、効果があり、理にかなった手法ですが、MAX(またはMAX近く)まで回転しているお店以外は、回転数よりも、一人でも多くのお客さんを呼ぶために、何ができるか?何をすべきか?を考えるだけで十分です。

    平均的なカフェの場合、回転数は2~5回くらいでしょう。いつも満席の都市部チェーン店などは、10回転以上あるかもしれません。先に述べた世界的コーヒーチェーン店さんなどは、こんな感じでしょう。であれば、回転数を上げる、座席数を増やす(居心地は下げず)事により、売上げUPが見込めますね。

    ここで言いたいのは、まずは平均的な滞在時間から割り出される最大回転数の50%くらい(上記の例では5回転)までは、回転数はただの結果でしかない。そんな事より客数増やすための工夫に時間を使って、回転数とかあまり気にしないようにしましょうね。って事です。

    とは言っても、後々出てくる「融資を獲得する事業計画書」とかには回転数は重要になってきますので、なかった事にはしないでくださいね。

    さて、前置きがなが~くなりましたが、本題である「バランスの取れた事業計画」という部分に入って行きたいと思います。

    事業計画書を作成する上で必要なのは、売上げと経費のバランスです。当たり前ですね。そして、前項のカフェの基本的な数字のところでもお伝えしましたが、経費のバランス、食材に重きを置くのか?サービスか?立地か?という部分もとても重要なので、再認識しておいてください。ここからはその先の部分を考えて行きます。

    まず、他のお店と差別化できる、あなたがお客さんに提供できる他店には負けないメリットをあげてみてください。1つか2つでOKです。

    計画段階からの経費の割り振りでも考えたかもしれませんが、もう一度。そしてこれは、経費の側面から見るのではなく「お客様目線で」考えてください。

    「あなたがお客さん(来客予定、来客可能、見込み顧客など)だったとして、どのようなメリットがあるお店に魅力を感じるのか?」という観点です。

    カフェに対するお客さんのニーズも様々です。
    ・美味しいコーヒーなどが飲みたい 美味しいものが食べたい
    ・仕事の打ち合わせに使いたい
    ・歩くの疲れたから座りたい ちょっと時間を潰したい
    ・お友達と談笑したい お酒を飲みたい
    ・読書がしたい 仕事がしたい
    ・インスタ映えする写真が撮りたい
    ・カフェスタッフとお近づきになりたい    などなど・・・

    もちろん、一人の人がタイミングによって違うニーズを持っていたり、複数のニーズを持っていたりする場合もあります。それらのニーズに応えるため、どのようなお店(ハード面)をどのような立地(ハード面)にどのようなサービス(ソフト面)と商品(ハード&ソフト)にするのか?どのようにしてそれらのニーズを満たして満足して帰ってもらうのか?

    noteその1-1にも書きましたが、人間が持っているどのようなニーズも、それを突き詰めて行けばかならず「感情」に到達します。どのようなビジネスも「お金」を外して考える事はできないですが、最終的に得ようとしているのは、お客さんとお店側双方の「満足感」です。立地も内装も商品もサービスも価格設定も何もかも、そのすべてがお客さんとお店の双方の満足のために存在すべきであり、その最終的な目標に至る過程のひとつとして事業計画書の作成も存在している。とご理解ください。

    話は戻りますが、カフェに対する様々なニーズ(時と場合によって変化することも多々ある)に対し、その全てをバランスよく満たす事は不可能です。
    なぜなら、相反するニーズも多数存在するからです。
    例えば、カフェでゆったり読書したいというお客さんのニーズと、
    座席数を多くして売上げをUPしたい。というお店側のニーズは相反する部分があります。占有面積は狭くて良いから200円で少し座ってコーヒーを飲みたい。というニーズもあれば、すぐ近くに知らない人がいるのはイヤなので、500円で広いスペースを確保したい。というニーズもあり、それがターゲットが違うという分けではなく同一人物である場合もあり得ます。(仕事の合間か休日か?とか)

    事業計画を考えて行く上で必要な事は、
    ・確実に存在するであろうニーズを見つける
    ・そのニーズが来店可能な範囲に一定数以上存在しているかどうか?
    ・あなたのお店が、そのニーズを満たせる事を伝える手段
    ・それが、他のお店よりも「満足度」が高くなる「理由」=「差別化」
    このあたりです。

    まず、ここらを明確にして資源を投下しつつ必要であればスキルをUPさせ、その事実をお客さん(潜在顧客)に伝えるための方法考えましょう。

    ではひとつ例をあげて、弊社のカフェEMPORIOの場合を見てみましょう。

    学芸大学駅からEMPORIOカフェに来るまでには、
    ・ドトール
    ・スターバックス
    ・その他、喫茶店や飲食店
    など、多数の競合が存在しています。開業当初ももちろん存在していました。

    駅に近ければそれだけ潜在顧客数も多いですが、家賃も同じように高くなって行きます。いわゆる、必要な時に近くにあって使いやすく、コスパも良い(かどうかはわかりませんが)立地では、資本もノウハウもバイイングパワー(大量に食材を購入するので仕入れコストが安い)もあるチェーン店さんが存在しています。仮に、私が夢のような事業計画をもって大量の資金調達に成功し、初期費用が4000万円とか5000万円とか必要な物件にてカフェを開業したとしても、ブランド力、知名度、ノウハウ、バイイングパワーのどれをとってもチェーン店さんに勝てる要素はないのは自明で、かつ、高額な家賃を支払い続ける必要性から座席数を増やして居心地を低減させてでも売上げを追求しないと営業を続けられない可能性も高いです。結局、チェーン店さんと同じ土俵で同じニーズに対して訴求していく事になるでしょう。

    そこで、EMPORIOカフェを開業する当初より、
    チェーン店さんが座席数を増やして回転率を追求する経営をしているのであれば、我々は逆に、駅からは少し離れるけどその分家賃が安い物件にして、座席同士の間隔を広くし、なおかつソファー席にしてゆったりとした時間が流れるお店として、15分20分の空き時間にお茶したいと思った時には見向きもされないが、休日の午後のひとときにカフェで読書したい。とか、久しぶりに会う友人と、ランチもしつつその後お茶も飲みながら、ゆったり静かな空間でたくさんおしゃべりしたい。というようなニーズがある時に、一番に思い出してもらえるようなお店。というのを目指しました。

    いわゆるそれが、EMPORIOカフェという事業体のコンセプトの中核です。

    重要なのは、そういうニーズがある。とお客さんが認識した時点で記憶の中でそれに適したお店探しが始まる訳ですが、その際に1番になれるようなお店として存在する。という部分です。2番ではダメです。なぜなら、休日の午後、カフェでまったりとしたひと時を過ごしたらそのニーズは満たされる訳ですから、2番目に思い出したお店は「また、次回」となるかもしれませんし、次に同じニーズが出てきた際も2番になって、結局来店してもらえないかもしれないからです。

    つまりは、
    お客さんのニーズを明確にし、それを明確に満足させる差別化された強みを中心にし、そこに経営資源を集中しつつ、他の潜在的なニーズに対して不満を与えたり、お客さんの側に高いコストを要求しないようバランスの取れた事業計画を考える必要がある。という事です。

    バランスなのか?特化して差別化しろなのか?どっちやねん!という声も聞こえて来そうですが、順番としてはまず強みを生かす「差別化」を考えて、その強みを生かしたお店を経営していけるよう「バランス」を考える。という順です。

    ここからが今回お伝えしたい事の重要点なのですが、例えば経営資源を配分するとして、
    ・差別化された部分  50万円
    ・その他、バランスを保つ部分 50万円

    とする場合、売上げが100万円あれば良いですが、80万円しかない場合に、
    ・差別化された部分  50万円
    ・その他、バランスを保つ部分 30万円

    とするのか、
    ・差別化された部分  40万円
    ・その他、バランスを保つ部分 40万円

    とするのか?はたまた、なんとかアイデアをひねり出して、80万円しか行かないであろう売上げを100万円にするのか?

    このあたりを考えるのが、経営者の主な仕事と言っても過言ではないでしょう。

    そもそも、事業計画の段階で想定している売上げなど、前途の回転数同様「絵に描いた餅」でしかないのですから、正直、そんなに深く考える必要もこだわる必要もないのです。なんとなーくイメージして事業計画書を作成している際に、100万円くらい行ける感じがするのであればOKですし、80万円くらいかなぁ、と思うのであれば不足分を補うアイデアを検討すれば良いですし、50万円も行かない気がするのであれば、そもそもの事業計画(ビジネスプラン)から見直した方が良いと思います。

    事業計画書は、「仮に」「例えば」の積み重ねです。
    「仮に、700人くらいの潜在顧客が居て」
    「仮に、1週間に1回来店してくれるなら」=100人/日(来店)
    「例えば、こんな感じのメニュー構成と単価にすれば¥1,000/客」
    日商10万円行くなー。
    というのと、
    この物件(不動産情報を見て)は、30坪 60万円/月の家賃
    だったら、50席は確保できるなー。
    (これは、仮にの話しですが物理的に可能な具体的な仮)
    この物件の周りは、オフィスが多いからこういうニーズがあるなー。
    この物件の周りは、幼稚園が多いからママさんニーズが・・・
    とか、
    とてつもなく美味しいコーヒーを淹れられるから、普通は5分以内のカフェしか行かない人でも10分歩くだろう。
    店長イケメンだから、30分電車乗っても雑談しに着てくれるだろう。とか
    やっぱり、
    インスタ流行ってるから、インスタ映えするこのビジュアルのメニューを求めて、世界中からお客さんくるだろう。から、もっと駅から離れて同じ家賃でも広い物件にした方が売上げあがるだろう。
    けど、そうすると最初に考えた700人の潜在顧客が→500人くらいまで減りそうな感じがするけど、とか・・・。

    そんな感じで、強み、商品、物件(立地)、マーケティング、ターゲットニーズ、資本(お金)、などなどを行ったり来たりしながらバランス取りつつ、強みを活かし、弱みを見せない(知らせない、悟らせない)ためには、何ができるか?どこに出店すべきか?どういう商品をどういう価格設定にすべきか?見栄えは?材料の仕入れは?と、さらに行ったり来たりを繰り返しつつ、数字の折り合いをなんとなーくつけて行くのが、事業計画書の作成方法です。

    強引にまとめます。
    事業計画で最も重要なのは「売上げ」です。事業計画というより「事業そのもの」において最も重要な部分です。まずは売上げが上がらないとそもそもビジネスですらないですし、売上げというのは顧客がもたらしてくれるもので、こちらが意思決定する類のものではありません。

    つまり、一番不透明な「売上げ」が一番「重要」って事なので、そもそも事業計画の段階で一番見えにくい「売上げ」に関して細かく考えても時間の無駄だよ。って事です。

    考えないのではなく、細かく論理的に考えても仕方ない。って事です。もちろん、しっかり考えるんですよ。でもそれは、回転数とか適当な数字を持って来て、さも論理的に考えている「ふり」をするのではなく、自分が創ろうと思っているお店、ビジネスに対して、自分や自分のまわりの人、その立地近辺の方々になったつもりで想像し、どれくらいの人数がどれくらいの頻度で利用してくれるかなー?というイマジネーションをしっかり働かせ、そういう作業の中で見えてきた「新しいニーズ」「潜在的なニーズ」「問題点」などを洗い出し、さらなる具体的なイメージへと進化させるために考える。イメージ(想像)する。って事です。

    そのイメージは、決してファンタジーではなく、あなたの経験に基づいたリアリティのあるイメージであるべきなのは当然ですが。

    人間のイメージの力(ファンタジーではなく、リアリティ)はとてつもなくすごいのです。スーパーコンピューターをもってしても数時間もかかる計算を、なんとなーくさらっと近い答えを出せてしまうくらいですから。

    話は飛びますが、たとえば、
    野球をする人であれば、30M先の人とキャッチボールするのは十分に可能です。お互いそれなりの経験者なら、なんの問題もなくキャッチボールできるでしょう。しかし、それを綿密に落下地点を物理的な計算にて導き出そうとすると、膨大な量の計算が必要なのです。
    ・ボールの初速
    ・回転
    ・空気抵抗
    ・風
    ・ボールそのものの質量
    などなど、それを「計算」するとなると大変な労力を要するのですが、野球経験者がキャッチボールする時には「なんとなーく」でおおよその落下地点を予測し、落下時刻を想定して必要なスピードにて移動し、ほぼ間違いなくボールをキャッチします。投げるほうもさらっと投げていますが、腕を振る強さ、速度、ボールを離すタイミング、離す際の指の掛け方など、本来はとても細かな計算を必要とする作業をなんとなーくしています。

    この具体的な「なんとなーく」というのは、経験に裏づけられたリアリティのある「なんとなく」です。現実に即しているイメージが出来ているからボールを落とさずにキャッチボールする事が可能なのです。

    あなたは自分のビジネスをするのは初めてかもしれません。お店を開業してお客さんから売上げを貰う事も初めてかもしれません。ですが、お客としてたくさんのお店を「経験」した事実はあると思います。その経験からリアリティのあるイメージを湧かせて、強みに特化しつつ、不満を与えないバランスのとれた事業計画を、さまざまな部分にスポットを当てて行ったり来たりしながら、なんとなーく数字に置き換えて考えてみてください。

    その数字を眺めていると、また、なんとなーく違うアイデアが浮かんでくるかもしれませんから。

    思う事、伝えたい事をツラツラ書いているだけですが、無料とは言え読者の皆様の貴重な時間を頂戴しているので、ご興味持っていただける間に、出来る限り書き進めて行きたいと思っています。

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    UPDATE:
  • 開業&起業読本(カフェとか会社とか)その3 起業なんてほとんどギャンブルみたいなもの

    目次(前半 その1)
    ■1 そもそも、なぜ起業するのか、したいのか?
    ■2 独立、起業なんかやめた方が良い?
    ■3 独立開業やベンチャービジネスなんて、ほとんどギャンブル?
    ■4 それでも開業するなら勉強しないとね。
    ■5 カフェの基本的な経営(数字の管理)について
    ■6 事業計画は総合的なバランスで考える
    ■7 それらを踏まえた基本的な資金調達の方法について
    http://www.notforsales.net/  会社のHP
    https://www.facebook.com/cafeEMPORIO/
    お店のFB
    http://www.emporio.tv/
    https://www.studio-gallery.tv/
    撮影スタジオWeb(カフェもスタジオとして利用)

    本日もご覧いただきありがとうございます。

    ■ 独立開業やベンチャービジネスなんて、ほとんどギャンブル?
    という点について書いて行きたいと思います。

    いろいろな意見があると思いますが、いろいろな社長さんや企業家とお話した経験や、起業~廃業(破綻)などの統計的な数字を元に自分なりに考えた答えは、
    「起業して成功するかどうかは、運の要素が50%(以上)」という結論です。

    なので、たいした特徴もなく、たいした努力もせず、すごい人脈があるわけでもノウハウがあるわけでもない場合でも、50%くらいの確率でビジネスが成功するかもしれませんし、逆に、上記全てをそれなりに持っていたとしても、50%くらいの確率で失敗するかもしれません。

    細かい数字はさておき、考え方としては間違っていないと思います。

    つまり、起業はほとんどギャンブル。というのは、その通り。という事になります。
    サラリーマンと違って、独立すれば、仕事をすればするほど報酬が増える!と思っている人がいますが、それは上手く仕事が回っている場合においてのみ有効な考え方で、独立した当初は業種業態にもよりますが、創業者は400H/月働いて、仕事していない時間も頭の中、仕事とお金に追われ息つく暇もないほど頑張っても、月末になると口座からお金が出て行く。時給にして、マイナス1,000円/H ?なんて事もざらにあります。

    独立したら、やったらやっただけ報われる!と思っているなら、その考えは頭の片隅に置いておいて、やったらやっただけ報酬が得られる仕組みなのか?どうすればその仕組みになるのか?さらには、どうすれば自分がやらなくても報酬が得られるような仕組みにできるのか?を考える事に時間を使いましょう。

    まぁ、どれだけ考えても、実行に移さなければ意味ないんですけどね。

    話は戻りますが、独立、起業が運によって大きく左右されるのであれば、努力は無駄なのか?という考えになるかもしれませんが、それは違います。

    運の影響は想像以上に大きいが、顧客のニーズやウォンツを考えたり、従業員の満足を考えたり、世の中の不満点を解消したり、無駄を省いたり。というような、ビジネスにおいて当たり前の事を当たり前に考える事、学ぶ事はとても重要ですし、沢山の知識や経験を踏まえる事で運の要素を1/2まで減らす事ができたり、キャッシュフローや資金を管理できる能力を向上させれば、運の要素が強い「くじ引き的な部分」いわゆる、トライアンドエラーを繰り返す事ができ、当たる確率を高められるようになりますし、くじ引きを引く回数も増やす事ができるようになります。

    ここで言っておきたいことは、
    例えあなたが、相当に優秀であり、かなり努力したとしても、あなたの努力には関係のない「運」の部分がどうなるかによって、その努力が報われない可能性も十分にある。という事です。ビジネスというのはそういうものです。

    今まで全然売れなかったのに、ちょっとしたきっかけで爆発的に売れるようになった商品はたくさんあります。ネーミングを変えただけで売れるものもあれば、なにも変えていないけど、いつの間にか主婦の間で話題になって、とか。

    いつ、当たりくじを引けるのかを見定めるのはなかなか難しいので、誰かの役に立つ、お金儲けできる!と思ってスタートしたビジネスは、余程環境が変わったり、太刀打ちできない競合が出てきた場合や当初の考えが明らかに間違っていたと解った場合以外は、「続ける」というのがとても大切だと思います。
    続ける事によって、「当たる」かもしれないくじ引きを引き続けるのです。

    事業を辞める=くじ引きを引くのをやめる

    事業を続ける=くじ引きを引き続ける

    事業を改善する=より当たりやすいくじ引きを探す、
    =くじ引きを引くコストを下げる

    世の中には、自分の頑張りではどうしようもない事など山のようにあります。我々もたまに屋外イベントに出店したりしますが、天候などはその最たるものです。雨と晴れでは、売上げ10倍違います。そんなこと、イベント申込の時点では誰にもわからないのですから、考えても仕方ないのです。

    経営者としてできる事は、
    雨と晴れの確率とそれぞれの売上げから期待値を算出し、コストとのバランスを見て判断するとか、雨なんか降るわけない!くらいの勢いをもって出店を決めるとか、そんなリスクは犯せないと思って辞退するか、複数回のイベントを総合的に考えてリスクを分散するか?くらいで、イベント当日の天候を左右することはだれにも出来ないのです。

    まぁ、ビジネスなんか半分「運」なのですから、上手く行った場合は謙虚に、上手く行かなかった場合でも「運」が悪かった、と思って次につなげればそれで良いと思います。

    次は、
    ■4 それでも開業するなら勉強しないとね。 に続きます。

    UPDATE:
  • 開業&起業読本(カフェとか会社とか)その2 独立開業なんてやめた方が良いですよー

    本日も昨日に続き、カフェ開業に関する記事です。
    ■2 独立、起業なんかやめた方が良い?
    について書いて行きたいと思います。

    目次(前半 その1)
    ■1 そもそも、なぜ起業するのか、したいのか?
    ■2 独立、起業なんかやめた方が良い?
    ■3 独立開業やベンチャービジネスなんて、ほとんどギャンブル?
    ■4 それでも開業するなら勉強しないとね。
    ■5 カフェの基本的な経営(数字の管理)について
    ■6 事業計画は総合的なバランスで考える
    ■7 それらを踏まえた基本的な資金調達の方法について
    http://www.notforsales.net/  会社のHP
    https://www.facebook.com/cafeEMPORIO/

    https://www.studio-gallery.tv/
    撮影スタジオWeb(カフェもスタジオとして利用)

    ■2 独立、起業なんかやめた方が良い?
    正直なところ今の世の中、飲食店で独立とか流行らないよー。ハイリスク・ローリターンですよー。もっと良い独立の方法あるでしょー。って個人的には思っています。人口が減少していく現代の日本において起業するというのは、それなりにリスクがあることを覚悟した方が良いと思います。

    若い起業家さんやフリーランスで成功されている方は、起業や独立を勧める方が多いように見えますし、私自身も30歳の時にサラリーマン(ベンチャーでしたが)を辞めて独立した方ですので、こういう生き方は嫌いではないですが、時代を考えると、安易にお勧めするものでもないと思っています。

    というのも、人生には様々なシアワセの形があると思うからです。ツマラナイと思う仕事を頑張って、家族を養っていくのも良いと思いますし、休日の趣味のために、それなりの仕事をそれなりに頑張るのも悪くないと思うからです。

    人生において、仕事に投入する時間と労力はかなり大きいので、もちろん好きな事を仕事に出来ればそれは素晴らしい事ですし、目指すべき理想だと思いますが、「■3 独立開業やベンチャービジネスなんて、ほとんどギャンブル?」でも後ほど触れるのですが、頑張ったら必ず報われる訳でもなく、失敗した場合の再チャレンジも簡単ではない上に、成功する可能性もかなり低いし、さらには一見成功しているように見える10年以上続くお店でさえも、中の人は必死で働いていろいろなモノを犠牲にしている可能性もある。と考えると、独立、起業なんかやめた方が良いと思いませんか?

    残念ですが、それが現実であり事実です。正確な数字は不明ですし細かく調べるつもりもありませんが、独立開業した人の内5年以上事業を継続できる割合は50%にも満たないそうです。10年以上続くのは10%とも言われています。日本は資本主義社会ですので、お金のあるところにお金は集まっていくシステムです。個人の貯金と借入金(人生を左右するような金額)を合わせて思い切って初期投資したとしても、そんなものは大資本からみれば帳簿の端数であり、お小遣い程度の金額です。それくらい大資本と個人の差は大きいのです。そういった現実をしっかりと理解していますか?

    何を隠そう、私はそういう現実をしっかり知った上で2006年に会社を設立し、EMPORIOカフェを開業しました。

    なぜでしょうか?

    私自身、自分の事を有能だと信じ、10年以上続けられるわずか10%の中に入れると思っていたのでしょうか?

    はい、そうです。自惚れていた上に世間知らずでした。

    さらに、
    私自身、ツマラナイと考える仕事を生業にして何十年も勤務していく事は「格好良くない」と思っていました。
    自分の人生哲学において、自分自身のことを格好良いと思えないような事に多くの時間を割いた人生なんてイヤだ!というのがあったからです。反対に、愚痴を言い続けながらサラリーマンを続けている人を見ると「格好良くない!」と思っていましたが、これは後に考え方が変わります。それは、守るべきものの存在によってです。

    起業した時は独り身だったので、その時は「事業がダメになったら、債権者にごめんなさいして、自己破産して、付き合い続けたい人のお金だけなんとか返せれば良い」という考えだったので気軽に起業したのですが、家族ができるとそうも言ってられなくなり、嫌々でも今の仕事を続けている人の考えも少しわかるようになり、日本全体で見ると明らかにマイナス面が多いと思われる、既得権益の構造やお役人の天下りなどがなくならない理由も良く解るようになりました。

    話が少し逸れましたが、
    そんな現実を知った上で、あなたはまだ起業したいのでしょうか?自分のビジネス、お店、会社を持ちたいと思うのでしょうか?

    ここで思いとどまれる人は、普通の神経の持ち主だと思うので思いとどまりましょう。

    ここまで言っているのに、独立開業する気持ちが一向に揺るがないそこのあなた!あなたは人の話を聞きませんね。正確には、話しは話しで理解しているが、自分には別の考えがある。のかもしれません。それがあなたの人生哲学なのかも、美学なのかもしれません。理由なんかなんでも良いのですが、起業なんかするな!という、現代においてはまっとうと思えるアドバイスを聞き流せる、またはそのアドバイスの上を行く考えを持っている、または、なにか大きく勘違いしたり、自惚れたり、思い上がったりしている人は、起業に向いていると思います。

    そんなあなたは、ぜひ、
    「■3 独立開業やベンチャービジネスなんて、ほとんどギャンブル」に進んでください。もう少し、役に立つ話しをしたいと思います。

    UPDATE:
  • 開業&起業読本(カフェとか会社とか)その1 なぜ起業したいのですか?

    ようこそ、not for sales Incorporated 株式会社のHPへ
    弊社のWebをご覧という事は、カフェ開業(飲食店)にご興味がおありの事と思います。そこで、本日からカフェ開業に役立つ内容の読み物を随時UPして行きたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
    まずは、簡単に自己紹介を。
    私は東京都目黒区、東横線の学芸大学駅近辺にてEMPORIOカフェを運営しております、not for sales Incorporated 株式会社の代表、西脇と申します。2006年に独立開業(脱サラ)し、現在に至ります。これを書いているのは2018年春なので、もう13年目に突入している感じですね。カフェを運営しながらカフェ開業のコンサルティングをしているので、今まで沢山の開業の支援もしてきましたし、自社のカフェ運営においてもいろいろありました。そこで、これから自分のお店を出したい、持ちたいという、飲食業において独立を目指す方々に、何かしら有益なアドバイスができればという思いから、今までの経験や思う事をみなさんと共有し、少しでも有益な情報を提供して、その見返りに利益を頂ければと思っています。前半は基本的な飲食店の開業や経営について、中盤は集客や売上げUPのノウハウについて、後半はそれらを統括する意味も含めて、とにかく長く続けるための秘訣を書いて行こうと思います。長くなるかと思いますが、お付き合いいただければと思います。

    目次(前半 その1)
    ■1 そもそも、なぜ起業するのか、したいのか?
    ■2 独立、起業なんかやめた方が良い?
    ■3 独立開業やベンチャービジネスなんて、ほとんどギャンブル?
    ■4 それでも開業するなら勉強しないとね。
    ■5 カフェの基本的な経営(数字の管理)について
    ■6 事業計画は総合的なバランスで考える
    ■7 それらを踏まえた基本的な資金調達の方法について

    ■1 そもそも、なぜ開業するのか、したいのか?
    実のところ、ここは有料にしたいくらいの内容を書くつもりですが、直接カフェの開業や経営に関係するところではないですし、哲学や信念の範囲に入りそうな感じもするのですが、と言っても、店舗の開業というのは人生を賭けた大勝負ですから、ここを避けて通る訳にもいかず、冒頭に持ってこざるを得ないので、仕方なく無料で公開しようと思います。

    では、まず質問です。

    ○あなたはなぜ、カフェ(飲食店)を開業したいのでしょうか?

    飲食店の開業に興味ない方も中にはいらっしゃるかと思いますが、無料とは言え、あなたの貴重な時間を使ってこの文章を読んでいるのですから、なにかしら理由があるのだと思います。

    もし、カフェ開業(経営)に失敗しても、あなたの人生にたいした影響がない方(いわゆる、お金持ちの方)以外は、この質問に明確に答えていただきたい!そして、その答えがこれから10年以上経過した後でも変わらない自信がある!と思える方のみ先を読む事をお勧めします。それ以外の方は、もう一度、ご自信の人生観や価値観としっかり向き合うことをお勧めします。

    ここ、大切なところなので少し回り道をします。ご自身の信念や哲学をしっかりお持ちの方は読み飛ばしていただいて結構です。

    人は最期は必ず死にます。
    これに、いまのところ例外はありません。
    つまり、人生とはその全てが途中経過な訳ですが、あなたは人生に何を求めますか?
    ・なぜあたなはその仕事をしているのですか?
    ・なぜあなたはお金が欲しいのですか?
    ・なぜあなたはその服を着ているのですか?
    ・なぜあなたは、この文章を読んでいるのでしょうか?
    ・なぜあなたは、自分の飲食店を開業したいと思っているのでしょうか?
    他にもたくさんの「なぜ」がありますが、基本的にだれにでも当てはまる「お金」を例にとって、「なぜ」を考えてみましょう。

    なぜ、お金が欲しいのか? → そのお金で得られるものは?
    「美味しい食事」「快適な住居」「格好良い衣服」「高級車」「アクセサリー」「行きたいところに旅行に行ける」など、お金を使って得られるものもあれば、お金があるという「安心感」や仕事(お金)に縛られない「自由」などもお金によって得られる効用のひとつです。このように、お金を使って得られるものも多岐にわたり、使わなくても口座にあるだけで効果を発揮する。お金ってすごいですね。
    では、「快適な住居」や「高級車」などあなたが思った「お金が欲しい理由」に対して、さらに「なぜ?」を考えて欲しいのですが、その前に、上にあげた、お金をもらって得られるものの中で、ひとつだけそれ以上「なぜ?」を繰り返せない答えがあります。それ以上繰り返せないというのはつまり、「結論」という事です。どれだかおわかりでしょうか?その答えは「安心感」です。「安心」という感情を得たい。という部分はこれ以上「なぜ?」を繰り返せない結論になっています。「なぜ、安心感を得たいのか?」と質問を繰り返したところで、「安心できたら安心でしょ!不安がない状態って良いでしょ!」という回答くらいしか出しようがないので。

    では、結論に至っていないもの、たとえば「アクセサリー」についても考えてみましょう。「なぜ、アクセサリーが欲しいのですか?」「キレイなものが好き」「自分をさらにキレイに見せられる」「自分のブランド価値をあげられる」など、理由はさまざまかと思いますが、さらにその答えに「なぜ」を繰り返すと、行き着く先はたぶん、「優越感」「安心感」「満足感」などが得られるから。という答えのはずです。その他の「住居」や「高級車」「旅行」などの回答も、「なぜ?」を繰り返して行くと必ず「感情」になるはずです。

    このように、人のどのような希望も最終的には「感情」に収束します。人間なのですから感情に収束しないと、何かがおかしいのであり、それはあたりまえのことなのです。この考え方は当たり前の事なのですが、普段から意識している方は少ないようなので、ここで改めて認識していただいた上で、「なぜ、カフェを開業したいのか?」という質問に対し、最終的に自分の納得できる感情の答えにたどり着ける方は、次に進んでください。カフェを開業したい理由は人それぞれで良いのですが、その理由が自分の内面から出てきたものでないなら、再度検討し直すことをお勧めします。

    ご自信の感情と向き合い、晴れて心の底から「カフェを開業したい!」と思っているそこのあなた!

    そんなあなたに、カフェ開業~経営の現実を突きつけるため、私の経験から「独立、起業なんかやめた方が良い?」を書き進めて行きたいと思います。
    次回をご期待ください!

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