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  • 飲食店でドリンク注文しない問題!(水が有料?)

    どうもです。

     

    最近、EMPORIOカフェにてソフトドリンク飲み放題のロングステイプランを始めました。

    ●ゆったりカフェで読書

    ●ノマドワーカーの方がじっくりお仕事

    ●ランチからの女子会

     

    など、チェーン店のカフェとは違った使い勝手を追求したプランです。って事で。

     

     

     

    飲食店でドリンク注文しない問題!(水が有料?)

    さて、随分前ですがとある有名シェフのお店で有料のお水の問題で炎上した事件がありましたね。

     

    飲食店で収益をあげるには基本的にドリンクをたくさん注文してもらう事なので、カフェを経営している者としては気持ちは十分にわかるのですが、たしか

    “700円くらいのお水に「お金払えない(払わない)人はお客じゃない」”

    的な発言が炎上の主な原因だと記憶しています。

     

    この発言は良くないですよー。反感買うに決まってます。

     

    お店として客単価向上を狙って行くのは当然ですし、出来るだけ沢山飲食して欲しいと思うのも当たり前ですが、こんな言い方する必要なかったですよねー。

     

    お店とお客はWin-Winであるべき

    そもそも、飲食店とお客様の関係はWin-Winであるべきです。

     

    これはどのビジネスにおいても当然の目標(目的)であり、一方的にどちらかが得するような仕組みはビジネスとは言いません。そういった土台を踏まえなくとも、不必要に誰かを不快にするような発言にはあまりメリットはあると思えませんし、飲食店のオーナーシェフたるものその時々の感情よりも優先させるものが他に沢山あったのではないか?と思います。

     

    こういった、明らかに「叩かれやすい」発言を有名人がすると、だれでも正論かざせば叩けるのでちょうど良い標的になり、正論が正論を呼びどんどん炎上が広がって行くのが今の時代です。

     

    私の記憶としては、お客さんの誰かが「水が有料でしかもそこそこ高い」的な発言をされ、それに対してのオーナーの返答が上記みたいな感じだったかと思うのですが、お店にはお店のルールややり方があり、それを良しと思わない方々は来店していただかなくて結構!という当たり前の事(ルールの内容はさておき)を伝える手段としては、とてもお勧めできる手段ではないと言わざるを得ません。

     

    もっと、こう、言い方あるでしょ!

     

    どうすりゃいいのよ?

    単純な方法としては、

    ルールとしてワンドリンク制にしてしまう。

    というのも手段のひとつです。

     

    「当店ではお料理を適正な価格で提供したいので、お客様に最低ワンドリンクのご注文をお願いしております。」

    という大義名分を持ってくるとか、

    水道のお水より断然「美味しい!」「料理に合う!」など理由をつけて注文を促す

    とかするのも一般的ですね。

     

    最低でも、

    「代官山の家賃はメチャ高い、座席数は限られる、サービスの質を高くするため従業員の福利厚生を

    とか。

     

    まぁ、なんでも良いのですが、ちょっとした実情を漏らしつつ、それなりの客単価を頂けないとお店を続けられないので、無料の水ではなく有料のものを「お願いしたい」というスタンスを崩してはいけなかったのだと思います。

     

    飲食業のWin-Win

    飲食業というのは、

    飲み物、食べ物をその空間にて、それにみあったサービスと共に提供し、最終的にお支払いいただいた金額“以上”の満足をお客様に感じていただく事によってWin-Winの関係性を構築して行くビジネスです。

     

    TVなどで直接関係がな人なら、傲慢だろうが思い上がりだろうが特に問題はないのかもしれませんが、自分の財布からお金を支払おうとする際に、

     

    あなたは、「謙虚な姿勢の方」と「傲慢な態度の方」となら、どちらに支払う方が気持ち良いでしょうか?

     

    互いに「ありがとう」と思えること

    お互いに「ありがとう」と思える事がWin-Winの別の言い方だと思うのですが、傲慢な態度の方を相手にするとそういった感情になれないため、結果として「満足度」が下がるカタチになるというのは想像に難しくないと思います。

     

    飲食業という、競合ひしめく中でお客様に選んでいただかないといけない立場の”お店側”が本心ではどうあれ、傲慢さを前に出すのは得策ではありません。

     

    小さな視点だけで見れば、

    ●お客様は安いほど良い(出費が少ない)

    ●お店は高く売れるほど良い(売上が上がる)

     

    ですが、

    そこだけ見ていてはビジネスの本質は見えません。

     

    何が適正か?何が満足か?は、お客様や時代などによって常に変化しているので一概には言えませんが、常に大きな視点で物事を見る癖をつけておいて損はないと思います。

     

    お店は選んでもらう立場

    お店はなんでもいつでもお客さんの言いなりになる必要はないですし、お店としてのポリシーや理念、信念に関わる部分は少々反対意見があったとしてもしっかりと筋を通す事により、共感して下さるお店のファンの方を増やす事につながる場合もありますが、

    基本的にはあくまでお店はお客様に“選んでいただく”立場である。

    という事を忘れないようにしたいですね。
    私も発言には気をつけて、調子に乗らないように謙虚に頑張って行きたいと思いますー。

     

    では、また。

    UPDATE:
  • 体験型レストラン(特別な経験)からの考察 その2

    どうもこんにちは。前回の続きです。

     

    体験型レストラン(特別な経験)からの考察 その2
    飲食店での食事は体験・経験

    飲食店で食事をするという事は、それそのものが体験・経験なのですが、この話の重要な点はその非日常性や特別性にあります。
    そして、ここで考えたいのは、

    特別であればあるほどに「ビジネス」として優秀なのかどうか?という所です。

     

    しょっぱなから結論を申し上げますが、

    その特別さに対して十分な”対価”をお客さんが支払ってくれるなら全然あり!そうでもないなら、特別さを追求し続けるのもどうかと思いますよ。

    って感じです。

     

    演出にはお金がかかる

    特別さ、差別化、非日常を演出するためには「お金」がかかります。空間演出も立地条件もサービスの内容も他店との”違い”を明確に打ち出せるほどに特化するならば、それは非常にコストがかかる事です。

    まぁ、当然といえば当然です。なぜなら、

     

    コストをそんなに必要としない“差別化”というか“演出!”というのはどのお店でも頑張ってやってる事ですし、それは日々の“改善”の延長線上にあるものであって、その程度ではお客様目線で“特別!”とまでは思っていただけないのが現状です。

     

    となると、ですよ。

    飲食店たるもの常に”差別化”を意識しないといけないのは理解できますが、さて、どの程度、どのあたりで?というのが問題になってきます。

     

    ここから先は、お店の業態やスタイル、客層(ターゲット)などにもよって様々な戦略があると思いますが、

    お客さんとお店がWin-Winになるような「特別さ」を追求する事が、ビジネスとして優秀

    であると考えます。

     

    一例をあげると、先ほど書いた道とん堀さんのような、お客さん自身が調理するスタイルの「特別さ、演出、体験」は非常に良い戦略と言えます。

     

    従業員のコストが体験・経験に

    お好み焼きを食べるとして、一番時間がかかるのが「焼く」という作業です。

     

    これを通常の飲食店のオペレーションで考えると、下準備から焼成、盛り付けまでお店のスタッフが行います。当然ここには人件費という”コスト”が発生します。

    1枚焼くのに6分必要だとして、

    ●100枚/日やいたら600分=10時間

    ●時給1000円なら1万円/日のコストです。

     

    つまり、それだけで年間360万円のコストが必要という事になり、それは営業し続ける間ずっと必要となってくるものです。

     

    さらに言うとお客さんの注文数がそんなにない時でさえ、人件費は発生しますのでこれはもほぼ「固定費」となってお店の負担になります。

     

    お客さんにコストを背負ってもらう

    一方、そのコストをお客さんに背負ってもらった場合はどうでしょう?

     

    もちろんお客さんは人件費を負担するのではなく、焼くという”手間”を負担する訳ですが、

     

    ●それは「仕事」でしょうか?

    ●それとも楽しい「経験」でしょうか?

     

    ここが大きなポイントです。

    スタッフやお店にとっては、「仕事・労働」という扱いになる作業そのものが、お客さんにとってはとても楽しい「経験・体験」になる。

     

    これは完全に、Win=Winの関係です。お店は人件費を抑えられますし、お客さんは楽しく食事ができる。自分好みにアレンジもできるかも。

     

    体験・経験のために必要なコスト

    そのために必要になってくるのが、各テーブルに鉄板焼きの設備を導入するという「コスト」です。

     

    そのコストは初期投資に入ってくる部分ですが、先ほど計算したように、

    焼くという作業だけのコストも長期で見ると結構な金額になる事は解っているので、それを天秤にかけて計算する。

    と、いろいろと見えてくるかもしれません。もちろん、コストの計算だけではなく、演出やお客さんの楽しさなど、いろいろな面を考慮して下さいね。

     

    ちょっと話が初期投資のコストの方に偏りすぎなので元に戻しますが、

     

    ●特別な経験をしてもらう「コスト」と「楽しさ」
    ●それを楽しみたいと思うお客さんの頻度「リピート回数、率、頻度」

    これよーく考えて、お店の差別化やウリを明確に打ち出して行きたいところです。

     

    特に、お店のコストがお客さんの楽しみにつながるような、ビジネスとしてとても優秀なポイントを見つけることができれば収益にもつながる事でしょう。

     

    今までもこれからも、「差別化」という言葉は多くでてくるのですが、その差別化の中身を上記を踏まえ、十分に検討していただければと思います。

     

    では、今日はこのへんで。

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    UPDATE:
  • 体験型レストラン(特別な経験)からの考察 その1

    考えがまとまっている訳ではなく、自分なりに飲食店の今後について考えるための記事です。

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    先週末、釣堀にて自分で釣った魚を調理して食べるスタイルの釣り船居酒屋「ざうお」と、自分でお好み焼きや焼きそばを焼いて食べるスタイルの「道とん堀」に家族で行ったので、体験型の飲食店について少し考察してみたいと思います。

     

     

    体験型レストラン

    世の中には様々な「体験型のレストラン」がありますが、皆さんはどのようなお店に行った経験があるでしょうか?また、どの程度の「体験」をしたいと思っているでしょうか?

     

    道とん堀のように自分で調理するくらいの体験から、アミューズメント型で何かしらのテーマに完全に特化したような例えば監獄レストラン(ロックアップ)のような完全に「非日常」な体験をするものまで。

     

    それぞれ好みはあると思いますが、私が個人的にひとつ思うのは、

    すごく「非日常」を感じられる「体験(店舗)」に行くのは、本当にたまにで良いかな、という事です。

    上記2店舗の例で言うと、

     

    ●「道とん堀」:鉄板でお好み焼きや焼きそばを自分で焼く体験はそれほど非日常ではありません

     

    一方、

     

    ●「ざうお」:お店の中に釣堀があって釣った魚をその場で調理してもらって食べられるというのはとても非日常

     

    そんな特別な体験をしたい!と思ったらだんぜん「ざうお」の圧勝だと思います。

     

    お客さんにその特別な体験をするための設備にもとても資金が必要ですし、その結果として完全なる差別化に成功していると思います。

     

    差別化

    飲食店をはじめモロモロのビジネスを計画する際にもこの「差別化」というのはとても重要なキーワードとなっていますが、差別化すればするほど良いという分けでもないことが見落としガチなポイントです。

     

    あくまで個人的な意見ですが、私自身(家族含め)、「道とん堀」には子供連れで良く行きます。常連という程ではないですが1~2ヶ月に1回くらいは利用しています。

     

    一方、「ざうお」に行ったのは今回が初めてでした。TVやWebなどでそういったお店がある事は何年も前から知っていましたし、ぜひ行ってみたい!とも思っていましたが、始めて来店するまで数年の月日を要しました。行った理由も子供が「釣りしたい!」と言った事がきっかけで、近所の釣堀に行ってもイマイチ盛り上がらないし、もうすぐランチの時間だし、という感じの状況から過去の記憶をたどってお店を思い出し検索して伺いました。

     

    リピート

    ざうお」に行った感想としては、とてもユニークだし楽しいし料理も美味しい。というのが率直なところなのですが、ではすぐにリピートするか?と言われるとNo.です。

    なぜなら特別すぎて気楽に利用する感じになれないからです。

     

    もちろん、釣りをしなくても美味しい料理は注文できますし、その場合でも店員さんがイケスから生きた魚を捕まえて捌いてくれるのでライブ感もありますし何かダメな部分がある訳ではないのですが、なんか、一回行ったら満足してしまって。。。

     

    内装や飲食環境や体験を差別化しまくった「特化型」の飲食店は多数あれど、何十店舗もチェーン展開しているところは私が知る限りあまり多くありません。

    とても楽しく美味しく特別な体験ができ、満足して帰っているのに、なぜなのでしょう?

     

    飲食店の開業を考えている読者の方には、ぜひ私と一緒に考えていただければと思います。

     

    私なりの意見は、体験型レストラン(特別な経験)からの考察 その2にてお伝えしたいと思います。

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    UPDATE:
  • 飲食店開業時の損益分岐点計算書 (無料で使える!飲食店の月次損益計算スプレッドシート付き!)

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    カフェを開業するにあたり考える事はいろいろあります。

     

    構想段階なら、メニューやサービス、なんとなくの立地や物件の形(お店の広さ、規模)、着たいユニフォームなんかも考えたりしますよね。

     

    それがより具体的になって来て、計画の段階になってくるとやはり、

    考える事の99%は「お金」の事になってきます。

    飲食店(カフェ)を開業し経営して行くという先の長い「ビジネス」をするのですから当然の事です。

     

    私はビジネスの目的は99%お金だ!と言っているのではありません。ビジネスにおいてお金を回し続けて行く事は目的ではなく必要最低限の約束事でありその先の目標に到達するための「手段」であるとお伝えしたいのです。

     

    ですが、その先の「目標」というのは開業する方それぞれ違うでしょうし、何をもってシアワセかも人によって違いますしお手伝いできるかどうかもわかりません。なのでここではお手伝いできる、飲食店経営の数字(お金)管理の部分についてお話したいと思います。

     

    タイトルにもありますが、お金を管理して行く場合に計算書、計画表を目的によって作成していくのが通常ですが、

     

    ●まずはどれから手をつければよいでしょうか?

     

    ・お店を開業(物件を借りて、内装を工事して、看板を出して)にまつわる「開業資金」の部分でしょうか?
    ・毎月の売上がこれくらいで、少しずつお客様を増やして、1年後にはこれくらい、2~3年後にはこれくらい、そして2店舗目を!というような、中長期的な「事業計画」の部分でしょうか?
    ・毎日の売上はこれくらい。必要な人件費はこれくらい。メニュー構成とレシピと想定販売価格から原価率はこれくらい。毎月の家賃は?光熱費は?リース料は?その他毎月かかる経費って?という「月次の損益計算」の部分でしょうか?

     

    もちろん、すべて重要なのは言うまでもないですが

    一番最初に手をつけて欲しいのは「お店の月次損益計算書(表)」の作成です。

     

    月次の損益計算をお勧めする理由

    なぜ「月次の損益計算をお勧めするか?」というと、

    ●お店(カフェ、飲食店)というのは基本的に日々の営業の繰り返しである
    ●仕入れやスタッフの給与や家賃など、経費の大半は毎月支払う性質のものである
    ●月次の損益計画で「利益」が出せないお店は継続的に経営していく事が困難である

    といった理由からです。

     

    どのようなビジネスも最初はおぼろげな「構想:イメージ」からスタートしますが、飲食店(カフェ)を開業しようとしているあなたも同じように「これから開業するお店のイメージ」を頭に描いている事と思います。

     

    大切なのはそのイメージの中身です。

     

    今年1店舗目を出して3年後には2店舗目を、10年後には10店舗を経営している「イメージ」を持つ事も大切ですが、まずはそのお店の「中身」の部分をしっかりとイメージし、たとえば「とある1日の営業」という感じでより具体的に「数字」に落とし込んでみましょう。

     

    ●どれくらいの規模、席数のお店ですか?
    ●どのような立地でどのような客層をターゲットにしていますか?忙しくなる時間帯は何時くらいでしょうか?
    ●どのようなメニュー構成でどのような客単価になりそうですか?原価率は何%くらいになりそうですか?
    ●そのお店を営業するのに、スタッフな何人くらい必要そうですか?

     

    という質問をしてみて、それを下記のような回答として導き出します。

     

    売上部門
    → 1日の売上はどれくらいになるでしょう?(平日と休日に差はありますか?)(定休日はありますか?)→月商へ
    経費部門
    → 家賃はどれくらいでしょう?
    → 光熱費はどれくらいでしょう?
    → 人件費はどれくらいでしょう?(2018年現在、東京都の最低時給はほぼ¥1,000/Hです)
    → 原材料費はどれくらいでしょう?
    → 他に掛かる経費はどれくらいでしょう?(保険、開発費、物流費、倉庫費、広告宣伝費、交通費などなど)

     

    正確でなくて良いのです。正確な数字などこの段階で出せる訳ないですし、売上に関しては10年営業を続けているお店でさえ正確な数字(これから頑張る「今日の売上」)なんてわからないのですから。(さまざまな外的要因にも左右されますし)

     

    要は、

    できるだけ具体的にイメージ(想像)して、それなりの「数字(お金)」としての当たりをつける。

    という作業をして欲しいのです。

     

    経費部門
    例えば

    ●ネットに出ている店舗物件の資料をいくつか見れば、立地や広さの家賃の相場がわかります。
    ●人件費に関しては、計画しているお店の規模や客単価(メニュー)から必要な人員数を導き出します。
    ●原価率はおおよそのレシピ(飲食店は25~35%に納まるお店が大半)から想定しておき、売上の予測(下記)をした後に、その売上に原価率を掛けると「原価=原材料費」を導き出す事ができます。

     

    とまぁ、計画段階でもそこそこあたりをつける事は可能です。

     

    売上計画

    一方難しいのが売上の計画です。

     

    こちら「計画」とは言うもののチェーン店でも無い限り過去のデータから導き出せるようなものでもないので「予測」とした方が良さそうです。では、その予測の仕方とはどのような方法でしょうか?

     

    売上予測(月次)の部分に関しては下記のように考えてみてください。

     

    1日の営業をイメージし、

     

    ●ランチ、カフェタイム、ディナータイム、夜の飲みタイムにどれくらいの来客数がそれぞれありそうでしょうか?
    ●それぞれの時間帯の客単価(注文するであろうメニュー構成)はどのようになりそうですか?

     

    それを、平日、土日の違いを踏まえて足し算し、定休日も考慮して合計すれば「月商」という事になります。

     

    これで、飲食店(カフェ)の月次の損益計算が出来るようになりました。

     

    月商

    売上から必要な経費を全部引いて、お金が残っていれば「黒字=利益が出ている」。マイナスなら「赤字=損失が出ている」という事になります。

     

    すでに開業しているのであれば「赤字」の部分はどうにかして補わないとお店が続けられなくなります。通常はオーナーさんの給与を削ってでも支払いに充てます。これが「事業をする」という事の意味です。

     

    黒字の場合は税金の事はさておきオーナーの取り分となり、赤字の場合はオーナーの給与から引かれる。という単純な話です。が、ここではまだ「計画」の段階なので「赤字」の場合はどのようにすれば「黒字」に出来るのか?を考えるきっかけにすればよいですし、「黒字」の場合でもこの黒字をもっと大きくする方法は?と考える土台にすれば良いと思います。

     

    ではそろそろあなたが構想しているお店の月次の計画を考えていただきたいのですが、その前にひとつだけお知らせしておきたい事があります。損益分岐点という考え方です。

     

    損益分岐点
    損益分岐点とは

    損益分岐点というのは、

    いくら以上売上があれば「黒字」になるか?という売上額のことです。

     

    この損益分岐点を考えるためには、経費を2つの性質によって仕分けする必要があります。

     

    その2つとは、

    固定費
    (家賃や社員給与など営業や繁盛の有無に関わらず毎月必ず同じ額支払うべきもの)
    変動費
    (原材料費や忙しい時だけ入ってもらうアルバイトの人件費など、売上が増えれば同じように増加していくもの)

    です。

     

    損益分岐点の計算

    固定費が50万円、変動比率が50%、売上100万円の時

    固定費=50万円
    変動費=50万円(売上100万円×変動費率50%)

    となり、

    利益0円=損益分岐

    ですので100万円が損益分岐点という事になります。

     

    同じお店ががんばって売上200万円になったなら、

    固定費=50万円(固定なので変わらず)
    変動費=100万円(売上200万円×50%)

    となりますので、利益が50万円残る計算になりますね。

     

     

    そのような計算を、売上と経費とあと少々を入力するだけで自動で損益分岐点を導き出しグラフにもしてくれる便利なスプレッドシートを公開いたしますのでご興味ある方はDLしてご利用ください。

     

    期限2018/08/15 まで

     

    おなじもの

     

    ではではー。

    UPDATE:
  • 開業&起業読本(カフェとか会社とか)その4 経営者になるために学ぶこと

    ■4 それでも開業するなら勉強しないとね。

    起業するにあたって、知っておいた方が良い知識はたくさんありますが、大きく二通りに分かれます。ひとつは守りの知識。基本的な経理の事、税金の事、法律の事、そういった「事業者」に課せられる義務の部分。従業員を雇うなら、労働基準法や社会保険についての知識もあった方が良いでしょう。もちろん、税理士さんや社労士さんに頼むのもひとつですし、私もそれぞれ専門家を顧問にしていますが、それでも代表者たるもの多少の知識は必要です。顧問の報酬を毎月何十万円も支払うのであれば、専門家たちはあなたの組織の事、会社の事について、かなり一生懸命考えてくれるかもしれませんが、必要最低限の報酬の支払いであれば、受けられるサービスも必要最低限になると考えるべきで、そうであれば自分の組織は自分で守らなくてはなりません。とは言っても、このnoteではそういう「当然知っておくべきこと」かつ「検索すればいくらでも出てくる」内容に関しては、割愛させていただこうと思いますので、ぜひご自身で勉強してみてください。

    守りの知識が上記であるならば、もうひとつは攻めの知識です。ビジネスをしていく上で、知らなくても問題にはならないが知っていれば得するような、そんな知識。このあたりを勉強しておきたいですね。あなたがどのようなジャンルで起業するかにもよりますが、一般顧客を対象とするビジネスの場合には、
    ・行動経済学(価格戦略やメニュー構成に多大な影響)
    ・ゲーム理論(交渉事が多いようなら)
    ・フェルミ推定(新しい事に挑戦するなら)
    ・確率論(起業なんてギャンブルですから)
    ・統計学(ある程度、数が取れるようになってから)
    あたりがとても重要になってきます。特に、行動経済学はお勧めです。なぜなら、あなたがビジネスをするという事は、商品やサービスに価格を設定するでしょうし、その価格設定という作業ひとつで、利益が何倍も変わる可能性があるからです。同じ商品、同じサービスでも、利益が出たり出なかったりする現実があるので、商品構成や価格設定はとても重要で、ぜひ学んでおいて欲しい部分です。

    ○4-1 行動経済学(お店が得する価格設定)
    行動経済学の専門書も沢山出ているので、ぜひいくつかの本を読んでいただきたいのですが、中でもお勧めは、「予想通りに不合理・ダンアリエリー」という書籍で、入門書としても優れていますし、結構奥深いので1冊読むだけでも、即座にビジネスに役立つと思います。ここでひとつ例を挙げましょう。

    A_あなたが欲しいと思っていた「ボールペン」が、今いるお店に¥1,000円で置いてありました。あなたはそれを手にとってレジに行こうと思った矢先、あなたの友人が、「そのボールペン、少し先の店でセールやってて¥500円で売ってたよ。」と言ったら、あなたはどうしますか?気にせずそのままレジへ行きますか?それとも、少し先の店(歩いて5分くらい)に行きますか?

    B_次に、あなたは以前から欲しかったPCを買おうとショップに来ました。店員さんと交渉の結果、10万円までまけてくれる事がわかりました。とその時、あなたの友人が、「少し先のショップ(徒歩5分)で、同じものを¥99,500円で売ってるよ」と言ったら、あなたはどうするでしょうか?

    AとBで回答の違いはありましたか?この際、細かな条件の設定はあまり気にせず、重要な点だけ考えるようにしてください。合理的に考えるとAでもBでも回答は同じになるはずです。なぜなら、考えるべきは徒歩5分と500円という2つの条件だけだからです。
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    その際、¥1,000円のものを買うのか、¥10万円のものを買うのかはまったく問題ではありません。そこに至るまでどんなに頑張って交渉していたとしても、それも終わった事です。

    あなたの回答を聞いてみたいですがそれはできないので、あくまで一般論を申し上げると、Aの場合は5分歩いて次の店に行き、Bの場合は移動せずそのまま購買する。という人が多いというのが現状です。なぜそうなるのが一般的なのでしょうか?それは、値引率が影響しています。Aの場合は50%OFF、いっぽうBは0.5%OFF。Aはとても得する感じがしますし、Bはそれほどでもないような印象を受けます。印象としてはそれが正解なのでしょうが、本来考えるべきなのは、5分歩けばあなたのお財布に歩かない場合に比べて、500円余分にお金が残る。という事です。つまり、あなたの5分に500円以上の価値があると考えるなら歩くべきではないですし、そこまでの価値はない。と考えるなら5分歩くべき。という判断をするのが合理的です。つまり、多くの人は、そのように常に合理的に行動する訳ではなく、印象やイメージ、雰囲気に結構左右されるよ。って事なので、それがどれくらいなのか?どのような場合にそうなるのか?なぜそうなるのか?とかをテーマにしているのが行動経済学です。

    ぜひ、興味を持ってもらいたいので、もうひとつだけ例題を。
    あなたは夏休みの休暇を利用して、パリかローマ、どちらかに行きたいと思っています。どちらの都市もそれぞれとても魅力的で、スケジュールの関係でどちらか一方しか行けません。そこで、なにか良いツアーはないかと旅行代理店に足を運びました。そこのスタッフさんが提案してくれたプランは2つ。

    A・4泊6日 パリ旅行 20万円
    B・4泊6日 ローマ旅行 20万円

    あなたは悩みます。上記2つは元々考えていたとおり甲乙つけがたく、価格も同じですし、宿泊予定のホテルもそれぞれ魅力的です。なにより、パリとローマにはそれぞれ別々の魅力があるので、合理的に比較検討できるような対象ではないからです。

    そんな時、スタッフさんがもうひとつプランを出してきました。

    C・4泊6日 ローマ旅行 20万円(朝食付き)

    「朝食が付いている・・・」

    いまさらですが、AとBには食事は付いていません。唯一Cだけが朝食付きです。

    さて、あなたはどのような印象を持ったでしょうか?
    「何も変わらない」「判断材料に変化はない」でしょうか?それは解りませんが、ひとつだけ確かな事があります。それは、

    「ローマ朝食付き」は「ローマ朝食無し」に対して、確実に優位に立っている。という事です。(せっかく旅行に行っているのに、朝ごはん食べないとか、朝起こされたくない。とか言う人はこの際無視してください。)

    ここで、再度整理して見てみましょう。

    A・4泊6日 パリ旅行 20万円
    B・4泊6日 ローマ旅行 20万円
    C・4泊6日 ローマ旅行 20万円(朝食付き)

    BとCを比較した場合、明らかにCが優位に立っているように見える場合、Cを選択する可能性が高くなる傾向にあります。もちろん、AとCには具体的に比較できない要素が沢山あるので、たかだか4日間分の朝食が付いたからと言って差が明らかになる分けではないのですが、それでも、C>Bになった場合、先ほどまでA=Bで検討していた人にとっては、C>B=Aという印象を受けてしまうことが多いのです。

    実際のところ、これを読んでいるあなたがどのような印象を持ったかはわかりませんが、あなたがもし旅行代理店を営んでいて、パリ旅行よりローマ旅行を販売した方が利益が大きい(朝食分など気にならないくらい)のであれば、顧客が判断に迷った場合にこの方法(戦略)が使えると、少しでも利益を増やす事が可能となります。

    もちろん、このような小細工をしたからと言って、全員がローマを選択するわけではありませんが、このような対応をしなかった場合よりはローマ旅行を増やす事につながるのは間違いないでしょう。

    同じ営業努力をかけるのであれば、儲かった方が良いですもんね。

    6/19 2018 追記
    ○4-2 ゲーム理論(交渉事を有利に進めるために)

    今回は、仕事で役立つ(プライベートでも)ゲーム理論というのをご紹介したいと思います。

    ゲーム理論とは、交渉事で「相手の立場に立って考える」事により、自分に有利な戦略を立てるための考え方。とでも覚えておいていただければ良いかとと思います。

    MITにおけるMBAの授業でも、とても人気があり、ビジネスを学ぼうとする人々にとってはぜひ知っておくべき知識なのですが、結構おくが深い話しになってきますので、あくまでここは「エッセンスのご紹介」程度にして興味を持っていただき、もっと知りたいという場合には、専門のHPや、書籍などで知識を深めていただければと思います。ゲーム理論に関する私のお気に入りの書籍は「戦略的思考とは何か―エール大学式「ゲーム理論」の発想法」というもので、今アマゾンを見たら、2006年に購入していたようです。ちょうど起業した年と同じでした。

    さて、前置きが長くなりましたが、ゲーム理論とは、合理的に未来を推量し戦略を立てるための手法、考え方の体系の事です。難しい言葉ばかり並べても仕方ないので、ここで簡単に例をあげてみようと思います。

    ここに、二人の子供がいます。その前にケーキが1つあります。仲良く半分こして食べて欲しいのですが、お母さんが慎重に切っても、「こっちの方が大きい!」と、すぐに喧嘩になってしまいます。さて、どうしたものでしょうか?

    もちろん、じゃんけんで勝った方が先にケーキを選べる。というのもフェアな方法かもしれませんが、できるだけ二人の不満を減らし、満足度を向上させるため、もう少し方法を考えてみましょう。

    まず、じゃんけんをして、勝った方が「ケーキを切る」ことができ、負けたほうが「切られたケーキのどちらかを選ぶ」事ができる。というルールにした場合はどうでしょう?

    じゃんけんに勝って、ケーキを切れる立場になってもケーキを獲得できるのは負けた人の後なので小さいほうが残るのは確実です。となると、じゃんけんに勝った人はできるだけ慎重に「等分」されるようにケーキを切る「必要性」が出てきますし、これはとても「合理的」な考え方と言えます。じゃんけんに負けた人は、勝った人より先にどちらかのケーキを選ぶ事ができるので、自分が小さい方のケーキに当たる可能性はほぼありません。

    このケースでは、最初のじゃんけんに「負ける」方がじゃっかん有利かもしれませんね。なぜなら、子供の場合は思ったとおりにちゃんと切れない可能性も十分に有り得ますから。

    とは言っても、この考察はこれでは終わりません。

    上記の考え方はあくまで、「大きい方のケーキが欲しい」というメリット(利得)を二人の子供が同じように持っている場合。には成立しますが、例えば二人とも、ちょっとしたケーキの大きさの違いは特に問題ではなく、実は、「ケーキを切る!」という行為そのものにも魅力を感じている場合もあります。

    子供というのは、実に意味不明なこだわりを持っている場合も多く、右足から階段を昇りたかったのに、ついうっかり左足から昇っちゃった。というだけでギャン泣きしたり、もう一度やり直そうとしたり、この世の終わりかのごとく振舞ったり、それはもう理解の範疇を超える行動をとったり要望があったりします。

    このケーキの例の場合、母親が企業側(顧客に満足を与えたい)で子供二人が顧客側としてですが、個客満足を高めるためには顧客のニーズをしっかりと把握しておいた方が良い事が伺えます。

    もちろん、
    ・大きいケーキ
    ・ケーキを切る事そのもの
    ・イチゴが乗っている方
    ・クリームが多い方

    などなど、要望もそれぞれですので、まず第一に考える事は、「大きい方が良い」という一面的な「利得」だけではなく、あなたの顧客が本質的に「利得」と考え求めているものはいったい何か?をしっかりと検討した上で、双方の利得が重なる部分は、お互いが妥協できる方法にて上手に分ける。利得が重ならない部分はそれぞれが満足するように、それぞれに分ける。もちろん、イチゴがゼロでもクリームがゼロでも良い事はないので、分け方のバランスや方法、選択の順番などを考慮して「ルール」を設定し、ゲームを開始させる。という事を念頭に置いてから、テーブルにケーキを登場させる事をお勧めいたします。

    ここで、出てきたキーワードの中からとても重要なものを少し整理してみます。
    ・利得
    ・ルール
    ゲーム理論において重要なのはこの2点です。

    一般的に「利得」は、ビジネスの世界に置いては「お金」および「時間」である事が多いです。
    貰うお金は多い方が良い。支払うお金は少ない方が良い。無駄に使う時間は少ない方が良く、楽しい時間は長い方が良い。

    一方、ルールはいくつかあるのですが、
    ・法律
    ・社会的な規範やマナー
    ・企業や店舗が独自に設定するもの(食べ放題の時間制限とか)
    ・そのゲームを楽しむため設定するもの(サッカーは手を使わないとか)
    などなどです。

    ゲーム理論の初歩の段階では、「利得」=「お金」という考え方で進めて行き、理解が深まってきたらその先の「満足」という感情の部分まで考えるようにすると、いろいろと使えるようになってくると思います。また、ルールに関しては、自分がルールを設定する立場になる事もしばしばあり、そのルール次第ではとても優位にビジネスを進める事も可能となってくる場合があります。

    逆の言い方をすると、そういう状況になれるように戦略を立てて行動する事が、ゲーム理論を上手に利用している事になりますので、自分がルールを決められるチャンスは逃さないように注意が必要ですし、ルールを設定する際はできるだけ慎重に対応する事が重要となってきます。

    では、もう少しビジネス寄りなゲーム理論の考え方について考察して行きましょう。

    ○ 神の見えざる手
    アダム・スミスという人が書いた「国富論」という本の中に「神の見えざる手」という有名な言葉が出てきます。簡単に説明すると、企業や店舗などが自由に競争する事により、消費者にとってお得な価格、かつ、企業にとって利益が出る価格になり、もちろん品質も消費者が満足行くレベルになる。って原理が働くよ。企業や店舗は自分のため、消費者も自分のために行動すれば、自動的(神の見えざる手によって)に求める品質、求める価格に収束していくよ。って事を例えているフレーズだと思ってください。

    それを念頭に、次に進みたいと思います。
    あなたは、A店という電気屋さんの店長さんです。近隣に、B店とC店という同規模の電気屋さんもあり、最寄の「Z駅」からの距離はほぼかわりません。

    話を単純にするために、A店~C店を利用する顧客は、安ければどこでも良いと考えている。アフターサービスなどは気にしない。という状況を想像してください。また、電気製品というのはメーカーが作って販売店で消費者が購入するのが通常なので、どこで買っても品質は一定です。また、お店の情報は一瞬にして見込み顧客に知れ渡るとして下さい。

    さて、
    ここに話題の高性能掃除機「スーパーお掃除君」という商品があります。この「Z駅」近辺では、毎日300人「欲しい!」という顧客がおり、必ずA店~C店のいずれかで掃除機を購入します。

    もちろん、価格は安い方が良い。と全ての顧客が考えています。

    それぞれのお店で、¥10,000という価格設定で売られており、本日の販売実績は、
    ・A店 100個 100万円
    ・B店 100個 100万円
    ・C店 100個 100万円
    となりました。

    A店の店長さんであるあなたは考えます。
    「Z駅周辺の顧客は価格にとても敏感だから、9,900円という価格に設定すれば、全員A店で買い物してくれるんじゃないか?」「そうすれば、めっちゃ儲かるやん!」と。

    次の日、あなたは「スーパーお掃除君 ¥9,900」というPOPを店頭に掲げ、販売を開始したところ、通常の3倍の売上げとなりました。まさしく狙い通りです。この日の売上げは、
    ・A店 300個 297万円
    ・B店   0個   0万円
    ・C店   0個   0万円
    となり、あなたはウハウハですが、B店C店はたまったもんではありません。

    さて、A店の店長さんであるあなたは、この掃除機の価格を明日は幾らに設定しますか?

    B店、C店の店長さんもバカではありませんから、それぞれの店長さんの気持ちになって考えた上で、明日の価格を設定しなければなりません。

    朝、開店と同時に各店の価格が明らかになりました。
    ・A店 ¥9,500
    ・B店 ¥9,800
    ・C店 ¥9,000

    1日が終わって、結果はどうなったかと言うと、
    ・A店   0個   0万円
    ・B店   0個   0万円
    ・C店 300個 270万円

    となりました。では、明日はいくらに設定すればお客さんを全員奪えるのでしょうか?と、A~C店の店長は考えます。

    これがいわゆる「神の見えざる手」の効果で、A~C店それぞれが限界まで価格をおさえ、経費を節約し、ギリギリの価格に設定するようになる。さらに、実際は価格以外の部分でも顧客満足を見出し、駐車場を完備したり、わかりやすい説明のPOPがあったり、店員さんのサービスが良かったり、配送が無料だったり、保証が付いていたり。と、顧客満足を向上させるために日々努力している。また、実際には店舗の情報が見込み顧客全員にスムーズに行き渡る分けでもないので、少々の価格差なども大きな問題でもない。
    というのが、自由競争の原理です。
    ですが、これはほんの一面に過ぎません。

    ・合法的に、合理的に状況を変化させる

    こういった状況の中、キレもののB店の店長さんは考えました。

    今までは3店が仲良くバランス取ってやっていたのに、A店が¥9,900という価格を設定してきたばっかりに、競争が始まってしまい、結果として3店共に利益を失う格好になってしまった。このままでは3店共に利益がほぼなくなって疲弊してしまう。どこかが潰れるまで競争を続けるのか?それは厳しい。

    また、以前のように3店共にしっかりと利益を出せる価格にするにはどうすれば良いのか?

    もちろん、3店の店長が話し合いをして価格を設定すれば、それは「談合」という事になり「独占禁止法」という法律に違反してしまうかも。
    (ルール違反)(法的に、バレた場合顧客の信頼的にも・・・)

    そんな中、B店の店長は起死回生のナイスなアイデアを思いつきます!その方法とは・・・、

    次の日の営業前、B店のチラシがZ駅近辺に出回りました。そこには、

    B店
    スーパー掃除機君 ¥10,000
    もし、他店の価格がこれより安ければ同額まで値下げ対抗します!
    さらに、もし他のお店の方が安ければ、次回使える¥500のクーポンもプレゼントいたしますので、ぜひB店にてお買い求め下さい!

    とあります。
    A店の店長さんであるあなたも当然、営業前にこのチラシを目にします。

    もし、あなたが¥8,000という価格設定にしても、その価格を見たお客さんがB店に行けば、¥8,000で掃除機が購入でき、さらにB店で使える¥500のクーポン券まで貰える。¥7,000にしても同じ事。。。

    であれば、A店の店長さんはどうするのが「合理的」なのでしょうか?答えはもちろん、B店と同じ¥10,000という価格に設定するのが得策です。こうすれば、当初と同じようにA店で買う人、B店で買う人が分散するようになるからです。C店の店長もきっと同じように考えるでしょう。

    晴れてZ駅近辺の電気屋さん3店では「スーパー掃除貴君」は¥10,000という価格にて落ち着く事となりました。顧客は3店に分散して購入するようになります。さらには、他店対抗価格という、なんかお得な感じがするチラシも出回っているので、安く購入できている気持ちにさせられ、満足度も向上しちゃうかも、です。

    B店の店長さんは、本当に他店対抗しようと思ったのでしょうか?多分、本当だと思います。と同時に、業界が疲弊するだけの値引き合戦に終止符を打って、3店共に共存しつつ利益を伸ばして行こう!という考えも裏にあったのかもしれません。本当の目的は見えませんが、B店の店長さんは、法律や社会的なルールを変更する事なく、他の2店と相談する事もなく、値引き合戦の応酬という状況をチラシ1枚、情報ひとつで変化させる事に成功し、自店のみならず他店の利益UPにも貢献したのは事実です。

    もちろん、A店(あなた)もC店も、合理的に考え行動する。という期待の元に実施された戦略でもあります。

    このように、「他店対抗価格」が実施されるようになって、電気量販店は急速に成長しました。現在はあまり行われていない(行政の指導があったのかも)ですが、ゲーム理論的に非常に優れた戦略であった事は間違いありません。

    まだまだゲーム理論についてはお知らせして行きたい事がたくさんありますが、このnoteにおいては、とりあえずこれくらいで締めておこうと思います。

    ご興味もたれましたら、ぜひHPや書籍などで調べてみて下さい。交渉事において先読み推量は知っていて損の無い考え方です。[the_ad_placement id=”%e3%82%b3%e3%83%b3%e3%83%86%e3%83%b3%e3%83%84%e3%81%ae%e5%be%8c”]

    UPDATE:
  • 開業&起業読本(カフェとか会社とか)その5 カフェの基本的な数字管理について

    ■5 カフェの基本的な経営(数字の管理)について

    カフェを始めとする飲食店はほぼ全て、資本集約型のビジネスです。お店という初期費用が結構掛かる「資産」をそれなりの資本(お金)をもって取得し、その「場所」を使ってビジネスをする。そういうのを全般的に資本集約型のビジネスと言います。 つまりは・・

    http://www.notforsales.net/  会社のWeb
    http://www.emporio.tv/ EMPORIOカフェダイニングWeb
    https://www.facebook.com/cafeEMPORIO/
    EMPORIOカフェダイニングのFB
    https://www.studio-gallery.tv/
    撮影スタジオWeb(カフェもスタジオとして利用)

    目次(前半 その1)
    ■1 そもそも、なぜ起業するのか、したいのか?
    ■2 独立、起業なんかやめた方が良い?
    ■3 独立開業やベンチャービジネスなんて、ほとんどギャンブル?
    ■4 それでも開業するなら勉強しないとね。
    ■5 カフェの基本的な経営(数字の管理)について
    ■6 事業計画は総合的なバランスで考える
    ■7 それらを踏まえた基本的な資金調達の方法について

    目次(中盤 その2)
    ■8 美味しい料理を出せばお客は増える?(商品開発の考え方)
    ■9 飲食店は立地で決まる?(物件を借りる時の注意点:普通の部屋も)
    ■10客数が先か?客単価が先か?
    ■11集客の方法を考える。
    ■12お客の喜ぶ商品、利益の取れる商品
    ■13売上げ確保の鍵はコミュニティにあった!

    目次(後半 その3:仮)
    ■14資金調達ができる事業計画書とは?
    ■15これからの時代に飲食店に求められるニーズとは?
    ■16法律は弱者の味方ではなく、知っている人の味方である
    ■17何が何でも融資を受けたい時の闇のマニュアル
    ■18それでも独立開業するの?しちゃうの?
    ■19借金との付き合い方
    ■20まとめ

    今日はカフェの基本的な経営(数字管理)について書こうと思います。

    ■5 カフェの基本的な経営(数字の管理)について

    カフェを始めとする飲食店はほぼ全て、資本集約型のビジネスです。お店という初期費用が結構掛かる「資産」をそれなりの資本(お金)をもって取得し、その「場所」を使ってビジネスをする。そういうのを全般的に資本集約型のビジネスと言います。

    つまりは、
    大きな初期コストを、長期にわたる売上げから少しずつ「回収」して行く必要があるため、持続的な経営をしていく必要がある。という事です。イベント事のような単発ではないよ。って事。

    では、一般的な飲食店の売上げと経費について。

    売上げを100とすると、
    ・原価(原材料費) 30
    ・人件費(お店で働いている人全員) 30
    ・家賃などの諸経費 20
    ・減価償却費(上にあげた初期コストの回収)10
    ・営業利益 10
    という感じです。

    もちろん、業種業態によって上下しますが、だいたいこんな感じです。カフェの場合は、何を主力にするかにもよりますが、
    ・原価 25
    ・人件費 25
    ぐらいまで落としつつ、
    ・家賃などの諸経費を 30にして好立地にて勝負した方が良い成績が出しやすい感じがします。

    このあたりからが、このnoteで伝えたいところなのですが、仮に、食材にこだわり、サービスにこだわって、原価35、人件費35という割り振りで行くとすれば、家賃などの諸経費を10まで落とす必要があり、光熱費や消耗品を除いた「家賃に充てられる部分」は、6~7程度になってきます。

    上記の数字に(万円)という単位を当てはめて考えた場合、
    人件費=給与=35万円ですから、1名+αくらいはなんとかなるかもしれませんが、果たして家賃7万円の物件(立地)において、どれくらいの人々が「カフェ」を必要としているでしょうか?

    お店がお客さんに利用されるには、
    ・A 利用したいと思った時に近くにある。
    OR
    ・B そのお店を利用するために、お客さんがわざわざ出向く
    のどちらかである必要がありますが、
    いわゆる好立地というのは「A」にあたり、食材やサービスにこだわるというのは「B」の状態にあたります。

    もちろん、飲食店たるもの日々精進して美味しいメニューを提供していくための弛まない努力は必要なのですが、その結果としての「他店との違い」いわゆる「差別化」されている部分はお客様に伝えるのが難しい時代であると共に、よほどの違い「特別な何か」がないと、わざわざお客さんが足を運ぶのは難しいのが現状であり、「特別」という事と「高単価」は決して同義語ではないのですが一般的な顧客心理として、500円のコーヒーのために情報を深堀りしていく人は少ないが、10,000円を越えるような食事をするとなった場合は、現代ではスマホを駆使して出来るだけ満足度を高めようと労力を注ぐ方が多いと思います。

    つまり、お客さんが時間をかけて「選ぶ」という作業をする「高単価」のお店や商品は、少々立地が悪くとも商品力やマーケティングの努力でその「違い」が伝わる可能性が高いですが、そもそも低単価のお店の場合はそこまで情報を求める場面も少なく、ちょっと座ってコーヒー1杯という早急的なニーズを満たしてくれるお店は、近くないとわざわざ行こうとしないのが本音かと思います。

    たとえば。とてつもなく美味しいコーヒーを淹れられるとしても、まず潜在的な「とてつもなく美味しいコーヒーを求めている人」の数がそれなりに居て、その人達が「美味しいコーヒーを飲みたい」と思った時に、自分のお店の情報にアプローチできる手段というのが必要となってきます。そして、自分のニーズとお店との距離=手間(コスト)とのバランスを検討し、まだ飲んだ事のない「とてつもなく美味しいコーヒー」を飲みに行くかどうかを意思決定する。という作業がお客さんの側で必要になってきます。

    それを乗り越えて来るお客さんがそれなりの人数居て、初めてお店として経営が成り立つ。というのは、なかなかハードルが高いビジネスだと考えますので、序盤に書いたとおり、そのコストを立地の方に割り振った方が良いと思っています。

    ちょっと数字管理の観点からは逸れましたが、カフェを開業し経営していくという事業を計画していく段階で、ステータスの割り振りではないですが、どの経費にウェイトを置くか?(お客さんにとってのメリットとして)比重を強めるか?というのを十分に検討する必要があります。

    もちろん、どんなに立地が良くても不味ければ2回目はないでしょう。しかし、美味しくなくともやって行ける立地は存在しますし(基本的にリピートがない観光地のお店)、とても不便な場所で繁盛している飲食店もあります。

    自分のお店が提供するメリット、技術、資本力などのバランス、お客さんのニーズ、などなどを総合的に検討し、事業計画を立案していく必要があります。

    とは言っても、バランスだけ重視では特徴のないお店となってしまいますし、実質的に、本当の好立地というのはとても家賃や初期費用が高額でチェーン店並の資本力がないと契約すらできませんし、そもそも物件の空き情報が回ってくることもほぼないので、差別化を図りつつ、バランスを取りつつ。というのが重要になってきますね。

    さらには、経費の比率を考えつつ、損益分岐点の計算もしないといけません。損益分岐点(売上)というのは、その売上げを下回ると赤字という状態になる売上げの金額の事です。経費には大きく分けて二通りあり、
    ・売上げに関わらず必要となる経費(家賃や給与) 固定費
    ・売上げに連動して増えていく経費(主に材料費) 変動費

    売上げから変動費を引いた残りで、固定費を賄えないと「赤字」という事になりますので、どのようなバランスで経費を割り振っていたとしても、赤字であれば必ずどこかにしわ寄せが来ます。どこかにと言っても、材料費を払わないと食材を卸してもらえませんし、家賃を滞納すればすぐではないにしても将来的に追い出されて営業できなくなりますし、実質的にはオーナーの給与を減らす以外に道はないので、この損益分岐点というのは非常に重要であり、これを出来るだけ低く設定できるような事業計画が求められます。

    損益分岐点の計算方法やグラフについては、noteにたどり着ける方々なら検索ですぐに見つかるでしょうし、ここでは割愛させていただきます。

    カフェの基本的な数字の管理については、大きく分けて二つあります。
    ・損益分岐点を越える売上げ
    ・経費の配分(原価、人件費、家賃、その他諸経費)
    この2点が、カフェを経営していくうえで、また、事業計画を立案する上で基本および最重要事項となります。というのも、
    その、経費の配分(食材に振るのか?立地に振るのか?)、バランスによっておおよそのスタイルは計画の段階ですでに出来ているからです。

    飲食店というビジネスは、上手く行っている場合でも、売上げに対しての利益率は10%~20%程度です。
    30%を越えるようなお店は、ほんのわずかしかないでしょう。
    その理由は■5で書いたとおり、材料費と人件費とその他諸経費が結構な割合で掛かってくるからです。もちろん、原価率(原材料費率)が20%以下でもお客さんの満足度の高いお店はあります。(コーヒーをそれなりの単価で販売している)などは、原価率が10%程度に抑えられている場合もあるでしょう。
    コーヒー20円
    カップと蓋20円
    合計、40円の原材料費のものを400円(税別)で販売できれば、原価率は10%という事になります。
    だったらもっと利益残せる(営業利益率が50%を越える)んじゃないの?という考え方もできますが、コーヒーだけをガンガン売っていけるような立地の場合、お店の家賃というのがかなり重くのしかかってきます。ひとつ例をあげてみましょう。(おおよその推測)

    弊社のカフェであるEMPORIOは、東急東横線の学芸大学という駅から5分ほど歩いたところにあり、駅からEMPORIOカフェに到着するまでにはいくつかのカフェチェーンを横目に通り過ぎる必要があります。
    ちょうど真ん中あたりに、世界的なコーヒーチェーン店があります。そこの売上げや経費を推測してみます。(月次)

    ・売上げ 1000万円 (35万円/日 結構売れている方)
    ・原材料費 100万円(10%) 変動費
    ・人件費 300万円(30%) 変動費(一部固定)
    ・家賃 250万円(25%) 固定費
    ・その他諸経費 50万円(5%) 電気代とかもろもろ
    で計算すると、利益は、300万円(30%)ですが、
    ここからチェーン店の場合は、本社経費が必要になってきますし、FC店の場合には、3~5%程度のロイヤルティを本部に支払う必要があります。それでもこれだけ売れて、これだけ儲かればウハウハですね!
    が、しかし、売上げがこの半分しか行かない場合はどうでしょう?(標準的なお店はそんなもんです。)

    ・売上げ 500万円 (17万円/日 標準的なチェーン店)
    ・原材料費 50万円(10%) 変動費
    ・人件費 150万円(30%) 変動費(一部固定)
    ・家賃 250万円(50%) 固定費
    ・その他諸経費 25万円(5%) 電気代とかもろもろ
    で計算すると、利益は、25万円(5%)になってしまい、本社経費とかロイヤルティを支払ってしまうとほぼ利益がない状態になります。この場合の利益が出ていない主な原因は、
    ・家賃が重い
    ・売上げ不足
    の2つであるのは明らかですが、同じ売上げ500万円を家賃100万円くらいの立地で達成できるのであれば、とても優秀な繁盛店と言えるでしょう。仮に、家賃が100万円の立地で売上げ500万円だったとしたら、営業利益は175万円です。売上げ1000万円の時の300万円の利益に比べれば半分くらいしかありませんが、それでも毎月175万円残るのであれば、とても成績の良いお店である事に変わりありません。

    このように、売上げと経費はどちらか一方が重要という分けではなく、商品や業態、立地や店舗の広さ、内装、サービスなど様々なバランスの上において成り立っています。

    それを念頭に置いて、事業計画の作成に進んで行きたいと思います。

    UPDATE:
  • 開業&起業読本(カフェとか会社とか)その6 事業計画について

    ■6 事業計画は総合的なバランスで考える

    新しいビジネスをスタートさせるなら、事業計画書は必須です。自分ひとりではじめて、金融機関などから借り入れしたり投資家募ったりしない場合でも、やっぱり事業計画は立てるべきです。

    大きく分けて、事業計画書には2通りあります。
    A・ビジネスの概要と成長のロードマップがイメージしやすい、
    より本質的なもの
    B・売上げや経費が見えて、必要な資金が明らかに見えたり、利益の
    大きさがわかるもの

    とうぜん、この2つが相互にリンクしている必要がありますが、ビジネスにおいて重要なのはAの本質的なものの方です。こういっては何ですが、Bなんて、誰に見せるか?で、適当に数字いじれば良いんですから。重要なのは2~3ヶ月の内に破綻しない(キャッシュがある)状態を最低限保てるようにすること。

    だって、既存のビジネスでさえ、売上げ予測は当たる方が少ないですし、突発的な経費が出て行く事も多々あります。なのですから、これから始めようとする新しいビジネスの売上げなんて、正確に予測できる人はこの世に存在しませんし、出来るわけないのです。とは言っても、できないから書かないのではなく、本質的なロードマップのイメージから、なんとなーく、それとな~く数字(売上げや経費)をイメージしていく必要はあります。

    その上で、
    ・経営者が実質的なキャッシュフローを検討するためのシビアなもの
    ・借り入れの際、金融機関が納得する(担当が上司に説明しやすい)もの
    ・投資家が夢を見られるようなもの
    など、使い方に応じて数字をいじっていくのが起業家の腕の見せ所です。

    そのあたりの細かい調整方法やロジック(屁理屈)の建て方については、後日お伝えするとして、今日はそれらのベースとなる、なんとなーく数字を立ててバランスの取れた計画書を作成する手法をご紹介します。

    一応、このnoteは「カフェ経営」をテーマとしているので、カフェ(飲食店)の開業書籍などに書かれている一般的な方法をお伝えします。

    客席数(座席)×回転数(日)×客単価=日商 とか。
    例)
    10卓(20席)×3回転=60人(客数/日)×客単価¥1,000=¥60,000/日

    はい、1日に売上げ6万円のお店のできあがりです。
    1ヶ月に25日営業するなら、6万円×25日=売上げ150万円/月のお店
    という事になります。簡単ですね。

    さて、
    座席数はあなたが出店するお店に置いてある椅子の数なので、あなたが決められますし、工事が完了していたらもう明確です。(事実)

    次に、ひとつ飛ばして、
    客単価も、あなたが決めたメニュー(メニュー構成、単価)と、カフェという業態で一般的なお客さんが注文するメニュー数などから、おおよそ計算する事ができるでしょう。たとえば、
    ランチ¥1,000 コーヒーなどドリンク¥500 ディナー¥1,500
    の注文がバランスよくあるとすれば、客単価は¥1,000となります。実は、そう簡単なものではないのですが今はまぁ、良しとしましょう。

    次に、回転数です。これが問題であると同時に腕の見せ所となる部分なのですが、はっきり言って適当でOKです。回転数を考える必要はありません。回転数という観点からお店の流れを考えないといけない場面は、売上げがMAX(お店のキャパシティの限界)に達したときに、回転数を上げるための工夫をする必要があるだけで、計画の段階でそんな事考える必要はありません。(開店当初から行列が途切れないお店になる自信がある場合は考えてください)

    なぜ、計画の段階では回転数は適当で良いのか?

    簡単に言うと、回転数は結果であって「計画」していく類のものではなく(行列店以外)、そんな事に時間を使うよりもっと重要な事を検討して計画書を作成すべきであるため、適当で良いというのが本音です。

    ちょっと補足になりますが、お客さんの平均滞在時間が1時間で、営業時間が10時間であれば、MAXの回転数は10回転です。実際、これだけお客さんが来店されていて、なんとかもう少し売上げを伸ばしたい場合には、滞在時間を54分(10%減らす)工夫をすれば、11回転になりますし、売上げも10%UPするでしょうし、良い事ずくめです。(かなりの繁盛店)

    これは非常に論理的な考え方であり、効果があり、理にかなった手法ですが、MAX(またはMAX近く)まで回転しているお店以外は、回転数よりも、一人でも多くのお客さんを呼ぶために、何ができるか?何をすべきか?を考えるだけで十分です。

    平均的なカフェの場合、回転数は2~5回くらいでしょう。いつも満席の都市部チェーン店などは、10回転以上あるかもしれません。先に述べた世界的コーヒーチェーン店さんなどは、こんな感じでしょう。であれば、回転数を上げる、座席数を増やす(居心地は下げず)事により、売上げUPが見込めますね。

    ここで言いたいのは、まずは平均的な滞在時間から割り出される最大回転数の50%くらい(上記の例では5回転)までは、回転数はただの結果でしかない。そんな事より客数増やすための工夫に時間を使って、回転数とかあまり気にしないようにしましょうね。って事です。

    とは言っても、後々出てくる「融資を獲得する事業計画書」とかには回転数は重要になってきますので、なかった事にはしないでくださいね。

    さて、前置きがなが~くなりましたが、本題である「バランスの取れた事業計画」という部分に入って行きたいと思います。

    事業計画書を作成する上で必要なのは、売上げと経費のバランスです。当たり前ですね。そして、前項のカフェの基本的な数字のところでもお伝えしましたが、経費のバランス、食材に重きを置くのか?サービスか?立地か?という部分もとても重要なので、再認識しておいてください。ここからはその先の部分を考えて行きます。

    まず、他のお店と差別化できる、あなたがお客さんに提供できる他店には負けないメリットをあげてみてください。1つか2つでOKです。

    計画段階からの経費の割り振りでも考えたかもしれませんが、もう一度。そしてこれは、経費の側面から見るのではなく「お客様目線で」考えてください。

    「あなたがお客さん(来客予定、来客可能、見込み顧客など)だったとして、どのようなメリットがあるお店に魅力を感じるのか?」という観点です。

    カフェに対するお客さんのニーズも様々です。
    ・美味しいコーヒーなどが飲みたい 美味しいものが食べたい
    ・仕事の打ち合わせに使いたい
    ・歩くの疲れたから座りたい ちょっと時間を潰したい
    ・お友達と談笑したい お酒を飲みたい
    ・読書がしたい 仕事がしたい
    ・インスタ映えする写真が撮りたい
    ・カフェスタッフとお近づきになりたい    などなど・・・

    もちろん、一人の人がタイミングによって違うニーズを持っていたり、複数のニーズを持っていたりする場合もあります。それらのニーズに応えるため、どのようなお店(ハード面)をどのような立地(ハード面)にどのようなサービス(ソフト面)と商品(ハード&ソフト)にするのか?どのようにしてそれらのニーズを満たして満足して帰ってもらうのか?

    noteその1-1にも書きましたが、人間が持っているどのようなニーズも、それを突き詰めて行けばかならず「感情」に到達します。どのようなビジネスも「お金」を外して考える事はできないですが、最終的に得ようとしているのは、お客さんとお店側双方の「満足感」です。立地も内装も商品もサービスも価格設定も何もかも、そのすべてがお客さんとお店の双方の満足のために存在すべきであり、その最終的な目標に至る過程のひとつとして事業計画書の作成も存在している。とご理解ください。

    話は戻りますが、カフェに対する様々なニーズ(時と場合によって変化することも多々ある)に対し、その全てをバランスよく満たす事は不可能です。
    なぜなら、相反するニーズも多数存在するからです。
    例えば、カフェでゆったり読書したいというお客さんのニーズと、
    座席数を多くして売上げをUPしたい。というお店側のニーズは相反する部分があります。占有面積は狭くて良いから200円で少し座ってコーヒーを飲みたい。というニーズもあれば、すぐ近くに知らない人がいるのはイヤなので、500円で広いスペースを確保したい。というニーズもあり、それがターゲットが違うという分けではなく同一人物である場合もあり得ます。(仕事の合間か休日か?とか)

    事業計画を考えて行く上で必要な事は、
    ・確実に存在するであろうニーズを見つける
    ・そのニーズが来店可能な範囲に一定数以上存在しているかどうか?
    ・あなたのお店が、そのニーズを満たせる事を伝える手段
    ・それが、他のお店よりも「満足度」が高くなる「理由」=「差別化」
    このあたりです。

    まず、ここらを明確にして資源を投下しつつ必要であればスキルをUPさせ、その事実をお客さん(潜在顧客)に伝えるための方法考えましょう。

    ではひとつ例をあげて、弊社のカフェEMPORIOの場合を見てみましょう。

    学芸大学駅からEMPORIOカフェに来るまでには、
    ・ドトール
    ・スターバックス
    ・その他、喫茶店や飲食店
    など、多数の競合が存在しています。開業当初ももちろん存在していました。

    駅に近ければそれだけ潜在顧客数も多いですが、家賃も同じように高くなって行きます。いわゆる、必要な時に近くにあって使いやすく、コスパも良い(かどうかはわかりませんが)立地では、資本もノウハウもバイイングパワー(大量に食材を購入するので仕入れコストが安い)もあるチェーン店さんが存在しています。仮に、私が夢のような事業計画をもって大量の資金調達に成功し、初期費用が4000万円とか5000万円とか必要な物件にてカフェを開業したとしても、ブランド力、知名度、ノウハウ、バイイングパワーのどれをとってもチェーン店さんに勝てる要素はないのは自明で、かつ、高額な家賃を支払い続ける必要性から座席数を増やして居心地を低減させてでも売上げを追求しないと営業を続けられない可能性も高いです。結局、チェーン店さんと同じ土俵で同じニーズに対して訴求していく事になるでしょう。

    そこで、EMPORIOカフェを開業する当初より、
    チェーン店さんが座席数を増やして回転率を追求する経営をしているのであれば、我々は逆に、駅からは少し離れるけどその分家賃が安い物件にして、座席同士の間隔を広くし、なおかつソファー席にしてゆったりとした時間が流れるお店として、15分20分の空き時間にお茶したいと思った時には見向きもされないが、休日の午後のひとときにカフェで読書したい。とか、久しぶりに会う友人と、ランチもしつつその後お茶も飲みながら、ゆったり静かな空間でたくさんおしゃべりしたい。というようなニーズがある時に、一番に思い出してもらえるようなお店。というのを目指しました。

    いわゆるそれが、EMPORIOカフェという事業体のコンセプトの中核です。

    重要なのは、そういうニーズがある。とお客さんが認識した時点で記憶の中でそれに適したお店探しが始まる訳ですが、その際に1番になれるようなお店として存在する。という部分です。2番ではダメです。なぜなら、休日の午後、カフェでまったりとしたひと時を過ごしたらそのニーズは満たされる訳ですから、2番目に思い出したお店は「また、次回」となるかもしれませんし、次に同じニーズが出てきた際も2番になって、結局来店してもらえないかもしれないからです。

    つまりは、
    お客さんのニーズを明確にし、それを明確に満足させる差別化された強みを中心にし、そこに経営資源を集中しつつ、他の潜在的なニーズに対して不満を与えたり、お客さんの側に高いコストを要求しないようバランスの取れた事業計画を考える必要がある。という事です。

    バランスなのか?特化して差別化しろなのか?どっちやねん!という声も聞こえて来そうですが、順番としてはまず強みを生かす「差別化」を考えて、その強みを生かしたお店を経営していけるよう「バランス」を考える。という順です。

    ここからが今回お伝えしたい事の重要点なのですが、例えば経営資源を配分するとして、
    ・差別化された部分  50万円
    ・その他、バランスを保つ部分 50万円

    とする場合、売上げが100万円あれば良いですが、80万円しかない場合に、
    ・差別化された部分  50万円
    ・その他、バランスを保つ部分 30万円

    とするのか、
    ・差別化された部分  40万円
    ・その他、バランスを保つ部分 40万円

    とするのか?はたまた、なんとかアイデアをひねり出して、80万円しか行かないであろう売上げを100万円にするのか?

    このあたりを考えるのが、経営者の主な仕事と言っても過言ではないでしょう。

    そもそも、事業計画の段階で想定している売上げなど、前途の回転数同様「絵に描いた餅」でしかないのですから、正直、そんなに深く考える必要もこだわる必要もないのです。なんとなーくイメージして事業計画書を作成している際に、100万円くらい行ける感じがするのであればOKですし、80万円くらいかなぁ、と思うのであれば不足分を補うアイデアを検討すれば良いですし、50万円も行かない気がするのであれば、そもそもの事業計画(ビジネスプラン)から見直した方が良いと思います。

    事業計画書は、「仮に」「例えば」の積み重ねです。
    「仮に、700人くらいの潜在顧客が居て」
    「仮に、1週間に1回来店してくれるなら」=100人/日(来店)
    「例えば、こんな感じのメニュー構成と単価にすれば¥1,000/客」
    日商10万円行くなー。
    というのと、
    この物件(不動産情報を見て)は、30坪 60万円/月の家賃
    だったら、50席は確保できるなー。
    (これは、仮にの話しですが物理的に可能な具体的な仮)
    この物件の周りは、オフィスが多いからこういうニーズがあるなー。
    この物件の周りは、幼稚園が多いからママさんニーズが・・・
    とか、
    とてつもなく美味しいコーヒーを淹れられるから、普通は5分以内のカフェしか行かない人でも10分歩くだろう。
    店長イケメンだから、30分電車乗っても雑談しに着てくれるだろう。とか
    やっぱり、
    インスタ流行ってるから、インスタ映えするこのビジュアルのメニューを求めて、世界中からお客さんくるだろう。から、もっと駅から離れて同じ家賃でも広い物件にした方が売上げあがるだろう。
    けど、そうすると最初に考えた700人の潜在顧客が→500人くらいまで減りそうな感じがするけど、とか・・・。

    そんな感じで、強み、商品、物件(立地)、マーケティング、ターゲットニーズ、資本(お金)、などなどを行ったり来たりしながらバランス取りつつ、強みを活かし、弱みを見せない(知らせない、悟らせない)ためには、何ができるか?どこに出店すべきか?どういう商品をどういう価格設定にすべきか?見栄えは?材料の仕入れは?と、さらに行ったり来たりを繰り返しつつ、数字の折り合いをなんとなーくつけて行くのが、事業計画書の作成方法です。

    強引にまとめます。
    事業計画で最も重要なのは「売上げ」です。事業計画というより「事業そのもの」において最も重要な部分です。まずは売上げが上がらないとそもそもビジネスですらないですし、売上げというのは顧客がもたらしてくれるもので、こちらが意思決定する類のものではありません。

    つまり、一番不透明な「売上げ」が一番「重要」って事なので、そもそも事業計画の段階で一番見えにくい「売上げ」に関して細かく考えても時間の無駄だよ。って事です。

    考えないのではなく、細かく論理的に考えても仕方ない。って事です。もちろん、しっかり考えるんですよ。でもそれは、回転数とか適当な数字を持って来て、さも論理的に考えている「ふり」をするのではなく、自分が創ろうと思っているお店、ビジネスに対して、自分や自分のまわりの人、その立地近辺の方々になったつもりで想像し、どれくらいの人数がどれくらいの頻度で利用してくれるかなー?というイマジネーションをしっかり働かせ、そういう作業の中で見えてきた「新しいニーズ」「潜在的なニーズ」「問題点」などを洗い出し、さらなる具体的なイメージへと進化させるために考える。イメージ(想像)する。って事です。

    そのイメージは、決してファンタジーではなく、あなたの経験に基づいたリアリティのあるイメージであるべきなのは当然ですが。

    人間のイメージの力(ファンタジーではなく、リアリティ)はとてつもなくすごいのです。スーパーコンピューターをもってしても数時間もかかる計算を、なんとなーくさらっと近い答えを出せてしまうくらいですから。

    話は飛びますが、たとえば、
    野球をする人であれば、30M先の人とキャッチボールするのは十分に可能です。お互いそれなりの経験者なら、なんの問題もなくキャッチボールできるでしょう。しかし、それを綿密に落下地点を物理的な計算にて導き出そうとすると、膨大な量の計算が必要なのです。
    ・ボールの初速
    ・回転
    ・空気抵抗
    ・風
    ・ボールそのものの質量
    などなど、それを「計算」するとなると大変な労力を要するのですが、野球経験者がキャッチボールする時には「なんとなーく」でおおよその落下地点を予測し、落下時刻を想定して必要なスピードにて移動し、ほぼ間違いなくボールをキャッチします。投げるほうもさらっと投げていますが、腕を振る強さ、速度、ボールを離すタイミング、離す際の指の掛け方など、本来はとても細かな計算を必要とする作業をなんとなーくしています。

    この具体的な「なんとなーく」というのは、経験に裏づけられたリアリティのある「なんとなく」です。現実に即しているイメージが出来ているからボールを落とさずにキャッチボールする事が可能なのです。

    あなたは自分のビジネスをするのは初めてかもしれません。お店を開業してお客さんから売上げを貰う事も初めてかもしれません。ですが、お客としてたくさんのお店を「経験」した事実はあると思います。その経験からリアリティのあるイメージを湧かせて、強みに特化しつつ、不満を与えないバランスのとれた事業計画を、さまざまな部分にスポットを当てて行ったり来たりしながら、なんとなーく数字に置き換えて考えてみてください。

    その数字を眺めていると、また、なんとなーく違うアイデアが浮かんでくるかもしれませんから。

    思う事、伝えたい事をツラツラ書いているだけですが、無料とは言え読者の皆様の貴重な時間を頂戴しているので、ご興味持っていただける間に、出来る限り書き進めて行きたいと思っています。

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    UPDATE:
  • 開業&起業読本(カフェとか会社とか)その3 起業なんてほとんどギャンブルみたいなもの

    目次(前半 その1)
    ■1 そもそも、なぜ起業するのか、したいのか?
    ■2 独立、起業なんかやめた方が良い?
    ■3 独立開業やベンチャービジネスなんて、ほとんどギャンブル?
    ■4 それでも開業するなら勉強しないとね。
    ■5 カフェの基本的な経営(数字の管理)について
    ■6 事業計画は総合的なバランスで考える
    ■7 それらを踏まえた基本的な資金調達の方法について
    http://www.notforsales.net/  会社のHP
    https://www.facebook.com/cafeEMPORIO/
    お店のFB
    http://www.emporio.tv/
    https://www.studio-gallery.tv/
    撮影スタジオWeb(カフェもスタジオとして利用)

    本日もご覧いただきありがとうございます。

    ■ 独立開業やベンチャービジネスなんて、ほとんどギャンブル?
    という点について書いて行きたいと思います。

    いろいろな意見があると思いますが、いろいろな社長さんや企業家とお話した経験や、起業~廃業(破綻)などの統計的な数字を元に自分なりに考えた答えは、
    「起業して成功するかどうかは、運の要素が50%(以上)」という結論です。

    なので、たいした特徴もなく、たいした努力もせず、すごい人脈があるわけでもノウハウがあるわけでもない場合でも、50%くらいの確率でビジネスが成功するかもしれませんし、逆に、上記全てをそれなりに持っていたとしても、50%くらいの確率で失敗するかもしれません。

    細かい数字はさておき、考え方としては間違っていないと思います。

    つまり、起業はほとんどギャンブル。というのは、その通り。という事になります。
    サラリーマンと違って、独立すれば、仕事をすればするほど報酬が増える!と思っている人がいますが、それは上手く仕事が回っている場合においてのみ有効な考え方で、独立した当初は業種業態にもよりますが、創業者は400H/月働いて、仕事していない時間も頭の中、仕事とお金に追われ息つく暇もないほど頑張っても、月末になると口座からお金が出て行く。時給にして、マイナス1,000円/H ?なんて事もざらにあります。

    独立したら、やったらやっただけ報われる!と思っているなら、その考えは頭の片隅に置いておいて、やったらやっただけ報酬が得られる仕組みなのか?どうすればその仕組みになるのか?さらには、どうすれば自分がやらなくても報酬が得られるような仕組みにできるのか?を考える事に時間を使いましょう。

    まぁ、どれだけ考えても、実行に移さなければ意味ないんですけどね。

    話は戻りますが、独立、起業が運によって大きく左右されるのであれば、努力は無駄なのか?という考えになるかもしれませんが、それは違います。

    運の影響は想像以上に大きいが、顧客のニーズやウォンツを考えたり、従業員の満足を考えたり、世の中の不満点を解消したり、無駄を省いたり。というような、ビジネスにおいて当たり前の事を当たり前に考える事、学ぶ事はとても重要ですし、沢山の知識や経験を踏まえる事で運の要素を1/2まで減らす事ができたり、キャッシュフローや資金を管理できる能力を向上させれば、運の要素が強い「くじ引き的な部分」いわゆる、トライアンドエラーを繰り返す事ができ、当たる確率を高められるようになりますし、くじ引きを引く回数も増やす事ができるようになります。

    ここで言っておきたいことは、
    例えあなたが、相当に優秀であり、かなり努力したとしても、あなたの努力には関係のない「運」の部分がどうなるかによって、その努力が報われない可能性も十分にある。という事です。ビジネスというのはそういうものです。

    今まで全然売れなかったのに、ちょっとしたきっかけで爆発的に売れるようになった商品はたくさんあります。ネーミングを変えただけで売れるものもあれば、なにも変えていないけど、いつの間にか主婦の間で話題になって、とか。

    いつ、当たりくじを引けるのかを見定めるのはなかなか難しいので、誰かの役に立つ、お金儲けできる!と思ってスタートしたビジネスは、余程環境が変わったり、太刀打ちできない競合が出てきた場合や当初の考えが明らかに間違っていたと解った場合以外は、「続ける」というのがとても大切だと思います。
    続ける事によって、「当たる」かもしれないくじ引きを引き続けるのです。

    事業を辞める=くじ引きを引くのをやめる

    事業を続ける=くじ引きを引き続ける

    事業を改善する=より当たりやすいくじ引きを探す、
    =くじ引きを引くコストを下げる

    世の中には、自分の頑張りではどうしようもない事など山のようにあります。我々もたまに屋外イベントに出店したりしますが、天候などはその最たるものです。雨と晴れでは、売上げ10倍違います。そんなこと、イベント申込の時点では誰にもわからないのですから、考えても仕方ないのです。

    経営者としてできる事は、
    雨と晴れの確率とそれぞれの売上げから期待値を算出し、コストとのバランスを見て判断するとか、雨なんか降るわけない!くらいの勢いをもって出店を決めるとか、そんなリスクは犯せないと思って辞退するか、複数回のイベントを総合的に考えてリスクを分散するか?くらいで、イベント当日の天候を左右することはだれにも出来ないのです。

    まぁ、ビジネスなんか半分「運」なのですから、上手く行った場合は謙虚に、上手く行かなかった場合でも「運」が悪かった、と思って次につなげればそれで良いと思います。

    次は、
    ■4 それでも開業するなら勉強しないとね。 に続きます。

    UPDATE:
  • 開業&起業読本(カフェとか会社とか)その2 独立開業なんてやめた方が良いですよー

    本日も昨日に続き、カフェ開業に関する記事です。
    ■2 独立、起業なんかやめた方が良い?
    について書いて行きたいと思います。

    目次(前半 その1)
    ■1 そもそも、なぜ起業するのか、したいのか?
    ■2 独立、起業なんかやめた方が良い?
    ■3 独立開業やベンチャービジネスなんて、ほとんどギャンブル?
    ■4 それでも開業するなら勉強しないとね。
    ■5 カフェの基本的な経営(数字の管理)について
    ■6 事業計画は総合的なバランスで考える
    ■7 それらを踏まえた基本的な資金調達の方法について
    http://www.notforsales.net/  会社のHP
    https://www.facebook.com/cafeEMPORIO/

    https://www.studio-gallery.tv/
    撮影スタジオWeb(カフェもスタジオとして利用)

    ■2 独立、起業なんかやめた方が良い?
    正直なところ今の世の中、飲食店で独立とか流行らないよー。ハイリスク・ローリターンですよー。もっと良い独立の方法あるでしょー。って個人的には思っています。人口が減少していく現代の日本において起業するというのは、それなりにリスクがあることを覚悟した方が良いと思います。

    若い起業家さんやフリーランスで成功されている方は、起業や独立を勧める方が多いように見えますし、私自身も30歳の時にサラリーマン(ベンチャーでしたが)を辞めて独立した方ですので、こういう生き方は嫌いではないですが、時代を考えると、安易にお勧めするものでもないと思っています。

    というのも、人生には様々なシアワセの形があると思うからです。ツマラナイと思う仕事を頑張って、家族を養っていくのも良いと思いますし、休日の趣味のために、それなりの仕事をそれなりに頑張るのも悪くないと思うからです。

    人生において、仕事に投入する時間と労力はかなり大きいので、もちろん好きな事を仕事に出来ればそれは素晴らしい事ですし、目指すべき理想だと思いますが、「■3 独立開業やベンチャービジネスなんて、ほとんどギャンブル?」でも後ほど触れるのですが、頑張ったら必ず報われる訳でもなく、失敗した場合の再チャレンジも簡単ではない上に、成功する可能性もかなり低いし、さらには一見成功しているように見える10年以上続くお店でさえも、中の人は必死で働いていろいろなモノを犠牲にしている可能性もある。と考えると、独立、起業なんかやめた方が良いと思いませんか?

    残念ですが、それが現実であり事実です。正確な数字は不明ですし細かく調べるつもりもありませんが、独立開業した人の内5年以上事業を継続できる割合は50%にも満たないそうです。10年以上続くのは10%とも言われています。日本は資本主義社会ですので、お金のあるところにお金は集まっていくシステムです。個人の貯金と借入金(人生を左右するような金額)を合わせて思い切って初期投資したとしても、そんなものは大資本からみれば帳簿の端数であり、お小遣い程度の金額です。それくらい大資本と個人の差は大きいのです。そういった現実をしっかりと理解していますか?

    何を隠そう、私はそういう現実をしっかり知った上で2006年に会社を設立し、EMPORIOカフェを開業しました。

    なぜでしょうか?

    私自身、自分の事を有能だと信じ、10年以上続けられるわずか10%の中に入れると思っていたのでしょうか?

    はい、そうです。自惚れていた上に世間知らずでした。

    さらに、
    私自身、ツマラナイと考える仕事を生業にして何十年も勤務していく事は「格好良くない」と思っていました。
    自分の人生哲学において、自分自身のことを格好良いと思えないような事に多くの時間を割いた人生なんてイヤだ!というのがあったからです。反対に、愚痴を言い続けながらサラリーマンを続けている人を見ると「格好良くない!」と思っていましたが、これは後に考え方が変わります。それは、守るべきものの存在によってです。

    起業した時は独り身だったので、その時は「事業がダメになったら、債権者にごめんなさいして、自己破産して、付き合い続けたい人のお金だけなんとか返せれば良い」という考えだったので気軽に起業したのですが、家族ができるとそうも言ってられなくなり、嫌々でも今の仕事を続けている人の考えも少しわかるようになり、日本全体で見ると明らかにマイナス面が多いと思われる、既得権益の構造やお役人の天下りなどがなくならない理由も良く解るようになりました。

    話が少し逸れましたが、
    そんな現実を知った上で、あなたはまだ起業したいのでしょうか?自分のビジネス、お店、会社を持ちたいと思うのでしょうか?

    ここで思いとどまれる人は、普通の神経の持ち主だと思うので思いとどまりましょう。

    ここまで言っているのに、独立開業する気持ちが一向に揺るがないそこのあなた!あなたは人の話を聞きませんね。正確には、話しは話しで理解しているが、自分には別の考えがある。のかもしれません。それがあなたの人生哲学なのかも、美学なのかもしれません。理由なんかなんでも良いのですが、起業なんかするな!という、現代においてはまっとうと思えるアドバイスを聞き流せる、またはそのアドバイスの上を行く考えを持っている、または、なにか大きく勘違いしたり、自惚れたり、思い上がったりしている人は、起業に向いていると思います。

    そんなあなたは、ぜひ、
    「■3 独立開業やベンチャービジネスなんて、ほとんどギャンブル」に進んでください。もう少し、役に立つ話しをしたいと思います。

    UPDATE:
  • 開業&起業読本(カフェとか会社とか)その1 なぜ起業したいのですか?

    ようこそ、not for sales Incorporated 株式会社のHPへ
    弊社のWebをご覧という事は、カフェ開業(飲食店)にご興味がおありの事と思います。そこで、本日からカフェ開業に役立つ内容の読み物を随時UPして行きたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
    まずは、簡単に自己紹介を。
    私は東京都目黒区、東横線の学芸大学駅近辺にてEMPORIOカフェを運営しております、not for sales Incorporated 株式会社の代表、西脇と申します。2006年に独立開業(脱サラ)し、現在に至ります。これを書いているのは2018年春なので、もう13年目に突入している感じですね。カフェを運営しながらカフェ開業のコンサルティングをしているので、今まで沢山の開業の支援もしてきましたし、自社のカフェ運営においてもいろいろありました。そこで、これから自分のお店を出したい、持ちたいという、飲食業において独立を目指す方々に、何かしら有益なアドバイスができればという思いから、今までの経験や思う事をみなさんと共有し、少しでも有益な情報を提供して、その見返りに利益を頂ければと思っています。前半は基本的な飲食店の開業や経営について、中盤は集客や売上げUPのノウハウについて、後半はそれらを統括する意味も含めて、とにかく長く続けるための秘訣を書いて行こうと思います。長くなるかと思いますが、お付き合いいただければと思います。

    目次(前半 その1)
    ■1 そもそも、なぜ起業するのか、したいのか?
    ■2 独立、起業なんかやめた方が良い?
    ■3 独立開業やベンチャービジネスなんて、ほとんどギャンブル?
    ■4 それでも開業するなら勉強しないとね。
    ■5 カフェの基本的な経営(数字の管理)について
    ■6 事業計画は総合的なバランスで考える
    ■7 それらを踏まえた基本的な資金調達の方法について

    ■1 そもそも、なぜ開業するのか、したいのか?
    実のところ、ここは有料にしたいくらいの内容を書くつもりですが、直接カフェの開業や経営に関係するところではないですし、哲学や信念の範囲に入りそうな感じもするのですが、と言っても、店舗の開業というのは人生を賭けた大勝負ですから、ここを避けて通る訳にもいかず、冒頭に持ってこざるを得ないので、仕方なく無料で公開しようと思います。

    では、まず質問です。

    ○あなたはなぜ、カフェ(飲食店)を開業したいのでしょうか?

    飲食店の開業に興味ない方も中にはいらっしゃるかと思いますが、無料とは言え、あなたの貴重な時間を使ってこの文章を読んでいるのですから、なにかしら理由があるのだと思います。

    もし、カフェ開業(経営)に失敗しても、あなたの人生にたいした影響がない方(いわゆる、お金持ちの方)以外は、この質問に明確に答えていただきたい!そして、その答えがこれから10年以上経過した後でも変わらない自信がある!と思える方のみ先を読む事をお勧めします。それ以外の方は、もう一度、ご自信の人生観や価値観としっかり向き合うことをお勧めします。

    ここ、大切なところなので少し回り道をします。ご自身の信念や哲学をしっかりお持ちの方は読み飛ばしていただいて結構です。

    人は最期は必ず死にます。
    これに、いまのところ例外はありません。
    つまり、人生とはその全てが途中経過な訳ですが、あなたは人生に何を求めますか?
    ・なぜあたなはその仕事をしているのですか?
    ・なぜあなたはお金が欲しいのですか?
    ・なぜあなたはその服を着ているのですか?
    ・なぜあなたは、この文章を読んでいるのでしょうか?
    ・なぜあなたは、自分の飲食店を開業したいと思っているのでしょうか?
    他にもたくさんの「なぜ」がありますが、基本的にだれにでも当てはまる「お金」を例にとって、「なぜ」を考えてみましょう。

    なぜ、お金が欲しいのか? → そのお金で得られるものは?
    「美味しい食事」「快適な住居」「格好良い衣服」「高級車」「アクセサリー」「行きたいところに旅行に行ける」など、お金を使って得られるものもあれば、お金があるという「安心感」や仕事(お金)に縛られない「自由」などもお金によって得られる効用のひとつです。このように、お金を使って得られるものも多岐にわたり、使わなくても口座にあるだけで効果を発揮する。お金ってすごいですね。
    では、「快適な住居」や「高級車」などあなたが思った「お金が欲しい理由」に対して、さらに「なぜ?」を考えて欲しいのですが、その前に、上にあげた、お金をもらって得られるものの中で、ひとつだけそれ以上「なぜ?」を繰り返せない答えがあります。それ以上繰り返せないというのはつまり、「結論」という事です。どれだかおわかりでしょうか?その答えは「安心感」です。「安心」という感情を得たい。という部分はこれ以上「なぜ?」を繰り返せない結論になっています。「なぜ、安心感を得たいのか?」と質問を繰り返したところで、「安心できたら安心でしょ!不安がない状態って良いでしょ!」という回答くらいしか出しようがないので。

    では、結論に至っていないもの、たとえば「アクセサリー」についても考えてみましょう。「なぜ、アクセサリーが欲しいのですか?」「キレイなものが好き」「自分をさらにキレイに見せられる」「自分のブランド価値をあげられる」など、理由はさまざまかと思いますが、さらにその答えに「なぜ」を繰り返すと、行き着く先はたぶん、「優越感」「安心感」「満足感」などが得られるから。という答えのはずです。その他の「住居」や「高級車」「旅行」などの回答も、「なぜ?」を繰り返して行くと必ず「感情」になるはずです。

    このように、人のどのような希望も最終的には「感情」に収束します。人間なのですから感情に収束しないと、何かがおかしいのであり、それはあたりまえのことなのです。この考え方は当たり前の事なのですが、普段から意識している方は少ないようなので、ここで改めて認識していただいた上で、「なぜ、カフェを開業したいのか?」という質問に対し、最終的に自分の納得できる感情の答えにたどり着ける方は、次に進んでください。カフェを開業したい理由は人それぞれで良いのですが、その理由が自分の内面から出てきたものでないなら、再度検討し直すことをお勧めします。

    ご自信の感情と向き合い、晴れて心の底から「カフェを開業したい!」と思っているそこのあなた!

    そんなあなたに、カフェ開業~経営の現実を突きつけるため、私の経験から「独立、起業なんかやめた方が良い?」を書き進めて行きたいと思います。
    次回をご期待ください!

    UPDATE:

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    飲食店舗の開業に関わるほとんど全てのことを自社でお手伝いできることがnot for sales Inc.の強みです。 上記以外のことでもお手伝い・関連会社のご紹介などできる場合もあります。 また、これまでの経験を生かした飲食店以外の制作実績も多数ございます。詳しくは「WORKS」をご覧ください。